イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は30日、自身のXアカウントで16,384 ETH
ETH(現在の価格で約4,500万ドル、約70億円相当)を引き出し、オープンソース技術プロジェクトへの個人資金として投入すると発表した。この動きは、イーサリアム財団が長期的な持続可能性を確保するため「穏やかな緊縮期間」に入ったことを背景としている。
イーサリアム財団の緊縮期と個人負担
ブテリン氏は今回の発表で、イーサリアム財団が堅牢性・持続可能性・分散性を損なわずに高性能なイーサリアムを実現する一方、財団自体の長期的な持続可能性を確保するため財政規律を強化する方針を明らかにした。
同氏は「私自身の緊縮の負担分として、通常であれば財団の『特別プロジェクト』に分類される責任を個人で引き受ける」と述べ、オープンソース、セキュア、検証可能なフルスタックのソフトウェアとハードウェアの構築を支援する意向を示した。
資金投入の対象分野は、金融、通信、ガバナンス、ブロックチェーン、オペレーティングシステム、セキュアハードウェア、バイオテクノロジー(個人および公衆衛生)など多岐にわたる。
具体的プロジェクトには、セキュリティクリティカルなアプリケーション向けオープンシリコンを実現する「Vensa」や、ゼロ知識証明・完全準同型暗号・差分プライバシー機能を搭載した大気質監視デバイス「uCritter」、暗号化メッセージングアプリへの寄付などが含まれる。
同氏は今回引き出した資金を今後数年間で段階的に投入するとともに、セキュアな分散型ステーキングオプションを検討中だと明かした。ステーキング報酬を長期資金源として活用し、プロジェクトの持続的な支援体制を構築する狙いがある。
「必要とする人々のためのイーサリアム」を優先
ブテリン氏は、イーサリアム財団は「Ethereum everywhere(あらゆる場所にイーサリアム)」ではなく、「Ethereum for people who need it(必要とする人々のためのイーサリアム)」を第一優先とすると述べた。「企業的なスローガンではなく、自己主権、そして支配なき協力を可能にする基盤インフラこそが重要だ」と強調した。
今回の資金投入表明は、ブテリン氏が1月16日に発表した「2026年は、自己主権と非信頼性の面で失われた地盤を取り戻す年だ」という宣言とも連動する。ブテリン氏は1月21日に分散型ソーシャルメディアへの完全復帰を表明したほか、1月14日には「Web3の全前提条件が揃った」と技術的基盤の完成を宣言、1月12日には「イーサリアム100年計画」を発表するなど、長期的な技術ビジョンを明確化している。




