イーサリアムの進化とエコシステム成長を牽引
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)のエグゼクティブ・ディレクターを務めていた宮口あや氏が25日、自身の職を退任し、新たに同財団のプレジデント(理事長)に就任したと発表。今後もイーサリアム財団の制度的関係の支援やエコシステムの発展に尽力していく意向を示している。
宮口氏は2018年よりイーサリアム財団に参加。以降はエグゼクティブディレクターとしてイーサリアムの研究開発支援やエコシステムのバランス調整に貢献してきた。同財団の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏と、1年前にプレジデントへの移行について話し合い、今回の発表に至ったという。
イーサリアム財団のリーダーシップ体制の変更については、ブテリン氏が1月19日に公式Xで言及。「大きな変更を加えるプロセスが進行中である」と投稿し、技術専門性の向上やエコシステム関係者との連携強化、新たな人材獲得による組織力向上などを目的とする方針を明らかにしていた。
一方、1月にはイーサリアム財団の運営方針やリーダーシップに対し、一部のコミュニティメンバーから批判の声も上がっていた。中には宮口氏に対する過剰な誹謗中傷を行うユーザーも見られたが、ブテリン氏はこれに対し、「陰湿な悪だ」と強く批判。財団のリーダーシップに関する最終決定権が自分にあると強調し、外部からの圧力に左右されない姿勢を示した。
こうした逆境に立たされながらも、宮口氏は今回の発表で「大胆に行動し続け、私たちの価値観を信じて進むことが未来への道を切り開くと励ましてくれた人々に心から感謝する」とコメント。許可不要の文化や多様性、そしてコミュニティ主導の発展がイーサリアムの強みであることを改めて主張し、共に未来を築いていこうとコミュニティへ呼びかけた。
同氏はイーサリアム財団のトップという役職を、単に組織を運営するものではなく、イーサリアムのユニークな文化を育み続け、より広範なグローバルコミュニティとの架け橋となる役割だと捉えている。そんな宮口氏がリードしてきた同財団がどのようにイーサリアムや暗号資産(仮想通貨)業界に影響を与えていくのか、今後の展開に注目したい。
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