ロシア中銀は4月からCBDC(中央銀行デジタル通貨)のパイロット実験を開始すると表明|ロシア地方銀行13行が参加
ロシア中央銀行第一副総裁のOlga Skorobogatova氏は17日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット実験を4月から実施すると表明した。ロシア国内にある地方銀行13行と、さまざまな小売業者がパイロット実験に参加する。
ロシアのCBDCは、同国の法定通貨であるルーブル建てのデジタル通貨で、「デジタル・ルーブル」とも呼ばれる。米仮想通貨メディア「Watcher.Guru」も本件について速報した。
JUST IN: 🇷🇺 Russia to launch digital ruble (CBDC) pilot in April.
https://twitter.com/WatcherGuru/status/1626595869339557895
【速報】ロシア、4月にデジタル・ルーブル(CBDC)のパイロット実験を開始。
地元メディアの報道によると、ロシア中銀の第一副総裁は金融分野におけるサイバーセキュリティの公開討論会で「4月1日に、個人間の送金や商業・サービス業での決済を伴う、デジタル通貨プロジェクトを開始する予定だ」と公言したという。
副総裁の発言によると、4月に始まるパイロット実験第1段階へ参加する企業は限定的であるという。また、第1段階の終了後に中銀がデジタル・ルーブルの方針を固める見込みだ。
一方、日本銀行の内田真一理事も17日、CBDCのパイロット実験を4月から実施すると表明した。日銀では、21年4月に第1段階となる実証検証(PoC:Proof of Concept)を開始し、今年3月までが期間となっている。実装の難度が高い周辺機器についても、CBDCシステムの処理性能の正常稼働を確認しており、実現可能性を検証する第2段階に入ることとした。日銀の公表資料によると、CBDCの正式導入時期についてはまだ未定とのことだ。
日本やロシアの動向以外にも、複数国におけるCBDCの運用開始や導入検討が連日報道されている。20年10月にカンボジアで導入された準CBDC「バコン」を皮切りに、中国のデジタル人民元やインドのデジタルルピーの試験運用が行われている最中だ。直近の報道では、ラオスでCBDC実証実験に向けた覚書締結や、イギリスでのCBDC導入検討などが報じられた。
今後も各国の中央銀行の動向が注目される。
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