ドナルド・トランプ米大統領は23日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの創業者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏に恩赦を与えた。
CZ氏「米国の公正さと革新へのコミットメントに感謝」
恩赦の発表を受け、ジャオ氏は自身のXアカウントでトランプ大統領への感謝を表明した。
同氏は、「今日の恩赦、そして米国の公正さ、革新、正義へのコミットメントを守ってくれたトランプ大統領に深く感謝する」と投稿。続けて、「米国を暗号資産の首都にし、Web3を世界的に推進するために、我々ができるすべてのことを行う」と述べ、業界への貢献を改めて誓った。
ジャオ氏は2023年11月、バイナンスにおいて「実効性のあるアンチマネーロンダリング(AML)プログラム」の維持を怠ったとする罪状を認めた。
当時の米財務省は「バイナンスは利益追求のために法的義務を黙認し、そのプラットフォームを通じてテロリスト、サイバー犯罪者、児童虐待者への資金流入を許した」と指摘している。
この司法取引の一環として、バイナンスは43億ドル(約6,574億円)、ジャオ氏個人は5,000万ドル(約76億円)の罰金を支払うことに合意。ジャオ氏は4ヶ月の禁固刑を宣告され、2024年9月27日に釈放されていた。
その後、今年3月、トランプ政権に対してジャオ氏が恩赦を働きかけているとの報道を、本人が否定している。しかしその後、正式な恩赦申請を提出したことを認めていた。
トランプ大統領は23日の会見で、記者からの質問に答えるかたちで「(恩赦について)多くの推薦があった」、「彼は大した罪は犯していない」とコメントし、恩赦の理由を明かしている。
今回の恩赦によって、米国におけるジャオ氏の犯罪歴は抹消されることになる。司法取引には「バイナンスの経営から生涯離れる」という条件が含まれていたとされ、今回の恩赦によって再びジャオ氏がバイナンスの経営に関与するのかにも注目が集まっている。
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