仮想通貨ETPから資金流出加速──貿易関税リスクが引き金に=CoinShares

JinaCoin編集部
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米関税報道が引き金に、1週間で352億円が市場から流出

資産運用会社「CoinShares(コインシェアーズ)」は7日、暗号資産(仮想通貨)の上場取引型金融商品(ETP)に関する週間レポートを公開した。レポートによると、先週1週間における仮想通貨ETPの資金流出額は2億4,000万ドル(約352億円)に達した。背景には、米国が発表した貿易関税に関するニュースがあり、これが世界経済の成長に対する懸念を引き起こしたとみられる。

出典:CoinShares

この資金流出は主にビットコインに集中しており、2億700万ドル(約303億円)が流出した。これにより、年初からの累計流入額は13億ドル(約1,906億円)に減少した。アルトコインは、イーサリアムが3,770万ドル(約55億円)の流出を記録したほか、ソラナが180万ドル(約2.6億円)、スイが470万ドル(約6.8億円)の流出となった。

地域別では、米国とドイツが大きな流出を記録した。米国は2億1,000万ドル(約308億円)、ドイツは1,770万ドル(約25億円)の資金が市場から流出した。一方で、カナダの投資家は市場の混乱を買い場と見なしたようで、480万ドルの(約7億円)の資金流入が確認された。

ブロックチェーン関連の株式商品は、2週連続で資金が流入し、先週は800万ドル(約1.1億円)の純流入となった。価格の下落を投資の好機と捉える動きが強まっていると考えられる。

市場全体としては、こうした資金の出入りがありながらも、仮想通貨ETPの運用資産残高(AUM)は1,326億ドル(約19兆円)と前週比で0.8%増加した。これは、同期間にMSCIワールド株式指数(※)が8.5%下落したことと対照的であり、仮想通貨の相対的な安定性と強さを示す結果となった。

※MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が算出、公表している株価指数「MSCI All-Country World Equity Index」のこと。先進国市場および新興国市場の大型株と中型株を対象とし、世界の投資可能株式の約85%をカバーしている。(出典:MSCI

短期的には資金流出という形で市場の警戒感が表れたものの、依然として仮想通貨への投資は底堅く推移している。このような経済の不確実性が高まる局面においても、仮想通貨は分散投資の手段として注目を集めており、長期的な成長性を見据えた戦略的な投資判断が重要であると言える。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.72円)

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