Bybit発の分散型取引所「Byreal」、6月30日テストネット開始へ

木本 隆義
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画像はByreal公式Xより引用

CEXの流動性とDeFiの透明性を融合した新設計

海外暗号資産(仮想通貨)取引所「Bybit(バイビット)」がインキュベートした分散型取引所(DEX)「Byreal(バイリアル)」は15日、今月30日にテストネットを公開し、Q3にはメインネットを立ち上げる計画を公表した。

バイビットは、取引高で世界トップクラスを誇る仮想通貨CEX(中央集権型取引所)で、高頻度約定エンジンが売り。本稿では、そのバイビットが自社でDEXを育成するねらいを探る。

バイリアルはSolana(ソラナ)上に構築され、CLMM(集中流動性マーケットメイカー)とRFQ(見積依頼)ルーティングを融合したハイブリッド設計を採用。これにより、価格発見機能と透明性の両立を目指している。加えて、「Reset Launch(リセットローンチ)」ではスマートプライスラダーとフェアシェアエンジンを使い、公正かつ分散的なトークン配布を実現すると強調する。これは価格操作を嫌うコミュニティ投資家には朗報だろう。また、利回り重視勢向けには、bbSOLなどで運用される「Revive Vault(リバイブボールト)」も用意されている。

同社は、新たな資産や需要をブロックチェーン上に取り込むことを中核戦略とし、分散型市場の次なる成長カタリストとしてRWAにも注目しているとみられる。

背景にあるのは、CEX規制の強化とユーザーニーズの二律背反だ。バイビットは深い流動性をオンチェーンへ延長し、DeFi的な構造を取り入れることで多様なユーザー層の受け皿となることをねらう。ソラナは外部資金流入で手数料収入とアクティビティを拡大できるので、両者の利害は一致していると考えられる。

但し、Uniswap(ユニスワップ)やJupiter(ジュピター)など、同業には競合も多い。勝負の鍵はCEX級の約定速度の実現と、流動性と透明性を真に両立できるかに尽きる。看板に偽りがあれば、ユーザーは瞬時に離れるだろう。

残り二週間弱でテストネットが始動し、夏にはメインネットによる実地検証がはじまる。仮想通貨市場は飽きっぽい性格だが、良質な流動性には常に飢えている。バイリアルがその渇きを癒やせるか、まもなく判明するだろう。

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リージョナルスペシャリスト(SEA)。仮想通貨歴は10年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。『月刊くたばれMBA』編集長。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。来タイ13年。
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