クジラは一時減少から回復、底堅さの表れか
オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Glassnode(グラスノード)」は27日、ビットコイン(BTC)価格が史上最高値を更新する中、1,000 BTC以上を保有する大口保有者、通称「クジラ」の数が再び増加傾向に転じ、1,455件に達したと報告した。これは、4月下旬の一時的な減少を経ての回復であり、市場の底堅さを示している。
今回のクジラの増加は、ビットコイン価格が直近で史上最高値を記録し、最高値圏で推移する中で観測された。ビットコイン価格は日本時間5月22日午前0時ごろ、一時109,458ドル(約1,578万円)に達し、1月に記録した史上最高値109,354ドル(約1,577万円)をわずかに更新した。
ポストに添付されたグラフの推移を見ると、クジラの数は今年2月末に一時1,400以下となったものの、3月上旬には1,420まで回復。4月中旬に1,455件に達した後、4月下旬には再び1,437件まで減少していた。その後、5月に入ってから再び増加し、執筆時点では1,455件となっている。
クジラの多くは潤沢な資金を持つ機関投資家であると考えられる。そのため、最高値圏でクジラが増加している現状は、機関投資家がビットコインに「強い確信」を持っている表れとも言える。通常、このような価格帯ではクジラは利益確定のために売り始める傾向があるため、今回の買い増しは異例であり、非常に強い強気シグナルと捉えることもできるだろう。
ただし、クジラによる一斉の利益確定売りが発生した場合には、市場が大きく変動するリスクもはらんでいるため、一般投資家はより注意深く市況を見守る必要がある。クジラの動向は市場の需給バランスに大きな影響を与えるため、今後のビットコイン価格を占う上で引き続き重要な指標となりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=約144.22円)