ビットコインは日本時間2日23時頃から現在にかけて、非常に強い買い圧力を受けて8万7,000ドル付近から一時9万3,000ドル付近まで上昇した。オンチェーンデータからは異例の動きも確認されており、今後の展開に注目が集まっている。
バイナンスの買い圧力が77億円超、売買比率も買い優勢示す
オンチェーン分析企業クリプトクオントのアナリストであるMaartunn氏は3日、自身のXにて「ビットコインに買い圧力が戻ってきた」との見解を投稿した。
仮想通貨取引所バイナンスにおける買い圧力が、約5,000万ドル(約77億8,000万円)に到達した。前回この水準に達したのは10月2日で、その4日後の6日にビットコインは史上最高値となる約12万6,000ドルを記録している。このような背景から、ビットコイン相場は今後の方向を左右する重要な局面に突入した可能性がある。
また、全取引所におけるTaker Buy Sell Ratio (テイカー売買比率)が3日、大きく上昇し一時1.34を記録。

この数値は2019年以来の最高水準であり、買いの勢いが売りに比べて圧倒的に優勢であることを示している。
ビットコイン流動性指数が最低水準、過去は回復の前兆に
マーケット分析企業のスイスブロックは2日、公式Xにて「流動性の枯渇がビットコインの転換点を示している」と指摘した。
BTC Liquidity Index(ビットコイン流動性指数)は11月後半から現在に至るまで最低水準を推移。過去2年間において、流動性の崩壊は数週間後の市場回復を示唆してきた。流動性が再び上昇に転じた場合「8万500ドル付近の底値形成」と共に、12月中旬にかけて市場が回復局面に入る可能性があると、スイスブロックは分析する。
「9万3,500ドル奪還」がトレンド転換の条件
機関投資家向け分析プラットフォームのビットコイン・ベクターは3日、公式Xにて「ビットコインがトレンド転換するには、9万3,500ドルの年初始値を回復する必要がある」との分析を共有した。
ビットコインの価格が、8万8,700ドル~9万500ドルの重要なゾーンを取り戻したことで売り圧力は減少したが、オンチェーンデータ上では依然としてUncharted Market Trend(未知の市場動向)を示しており、ハイリスク・高ボラティリティ状態であると指摘。年初始値である9万3,500ドルを明確にブレイクすることではじめて市場に勢いが戻る、と強調した。
記録的な買い圧力によりビットコインは急回復を見せているが、トレンド転換を明確に示す兆候は未だ確認されていない。ビットコインの流動性回復や9万3,500ドルの明確な上抜けなど、確度の高いサインが確認されるまでは、引き続き下値リスクへの警戒が必要な局面だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.65円)




