ビットコインは日本時間1日に大きく下落し、一時8万4,000ドルを割り込んだ。今後の展望についてはポジティブ・ネガティブの見方が交錯しており、非常に先が読みづらい状況だ。
古参ホルダーの大規模移動に要警戒
オンチェーン分析企業、クリプトクオントのアナリストであるMaartun氏は2日、自身のXにて「古参のビットコイン保有者による大規模な資産移動」が起きていると指摘した。
オンチェーンデータによると、3年~5年ビットコインを保有しているウォレットから、1〜2日にかけて2,030 BTCや3,475 BTCの大規模な移動が確認された。10月から続く弱気相場の中、古参ウォレットからの大規模な移動が確認されており、売却懸念が高まっている。Maartun氏は「水面下で何かが起きている」と投資家に警戒を促した。
弱気継続か底値接近か──分かれる見解
機関投資家向け分析プラットフォームのビットコイン・ベクターは2日、公式Xにてマーケット分析企業であるスイスブロックの投稿を引用しつつ「ビットコインの初期的な需要増の兆しが確かに現れ始めている」との見解を投稿。
引用元のスイスブロックは「今週もう一度リスクオフ・シグナルがスパイクする可能性がある」と指摘。ただし、シグナルの上昇が予想以上に弱ければ弱気勢の「売り疲れ」を示唆し、底値形成が近づく可能性が高まると分析している。
これを受けビットコイン・ベクターは、清算の連鎖が落ち着き、買い手の再編を示す動きが確認されていると分析。リスクが急激に拡大していないため、買い方にも若干の余裕が生まれている状況だと補足した。
短期的な焦点となる8万8,500ドル〜9万600ドルのレンジに回復できれば、強い下落トレンドに歯止めがかかり、買い方の主導権が強まる可能性がある。逆にスポット需要が再び弱まるようであれば、次の重要サポートとなる8万500ドルが視野に入り、下値リスクが意識されやすくなるだろうと結論付けた。
プレミアム値マイナスへ、米国投資家の慎重姿勢続く
ビットコインのCoinbase Premium Index(コインベース・プレミアム)は一時プラス圏に回帰したが、再びマイナスに転じた。

コインベースプレミアムは、暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースとバイナンスにおけるビットコインの価格差から算出された指標だ。歴史的に強気相場では、プレミアム値が週レベルでプラス圏を維持する傾向があり、トレンドの強さを測る指標として注目されている。
しかし直近のプレミアム値は、11月末の上昇時に一時プラス圏に回帰したが、12月に入り再びマイナス圏に突入しており、相場は依然として不安定な状況だ。今後プラス圏を週レベルで維持できるかどうかが、大きな焦点となるだろう。
オンチェーンデータからはポジティブな兆しもわずかながら確認されているが、クジラによる大規模な資産移動やコインベースプレミアムの低下など、まだまだ不安定な要素が多く、下値への警戒を強めるべき局面と言える。
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