ビットコイン、記念日「ピザ・デー」に市場の記録を塗り替える
日本時間22日午前0時ごろ、ビットコイン(BTC)の価格が一時109,458ドル(約1,572万円)に達し、1月に記録した史上最高値109,354ドル(約1,571万円)を更新した。
価格上昇の背景には、ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利を受けた仮想通貨規制緩和への期待がある。トランプ氏はバイデン政権下の厳格な規制をたびたび批判しており、政府の過度な介入を排除する姿勢を強調。こうしたスタンスが仮想通貨市場にとっては追い風と受け止められている。
さらに、ビットコイン現物ETFの存在も相場を支えている。これにより、これまで個人投資家が中心だった市場に、年金基金や保険会社、資産運用会社といった機関投資家が本格的に参入する道が開かれた。
なかでも、ブラックロックが提供する「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」をはじめとしたETFには、すでに約1,268億ドル(約18兆円)の資金が流入しており、これは現在のビットコイン時価総額の約5.97%に相当する。
「10億ドルのピザ」に思いを馳せて
奇しくも本日5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」として知られる記念日だ。2010年、プログラマーのラズロ・ハニエツ氏が1万BTCで2枚のピザを購入したのが、ビットコインによる初の実用的な取引とされている。当時の1万BTCは約41ドル(約5,891円)だったが、現在の価格では約10億ドル(約1,436億円)に相当する。
今後、ビットコインがさらに高値を目指すかどうかは、規制の動向や市場の需給バランスに大きく左右されるだろう。投資家にとっては、短期的な価格変動に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で市場の本質を見極める姿勢が求められている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.68円)