ビットコインに資金集中、転機を待つアルト市場
ビットコイン(BTC)は22日、節目として意識される110,000ドルを突破した。執筆時点では前日比+ 1.03%の110,829ドルで推移。一時は110,788ドルあたりで上値を抑えられつつも、その後は上昇基調を維持している。

今回の価格上昇には、米国内で進行中のビットコイン関連の規制整備が関係しているとみられる。特に州レベルでのビットコイン準備金法案の審議、ステーブルコイン規制に関する法的明確化などは市場にとって安心感につながる要因と言えるだろう。さらに、4月後半から継続的に資金流入が見られるビットコイン現物ETFも、価格の押し上げ要因として注目されている。
この急騰がアルトコインシーズンを牽引するか?
ビットコインが史上最高値を更新したことにより、暗号資産(仮想通貨)市場の次なる焦点は「アルトコインシーズンの到来」に移りつつある。このタイミングで投資家の注目を集めているのが、ビットコインドミナンスの動向だ。ビットコインドミナンスとは、仮想通貨市場全体におけるビットコインの時価総額割合を示したものであり、アルトコインの値動きを予測する上でも重要視される指標のひとつだ。
自動取引プラットフォームを展開する「Vestinda(ヴェスティンダ)」は2023年9月、TradingView(トレーディングビュー)のコミュニティ上でビットコインドミナンスとアルトコインシーズンサイクルの相関性を示している。

例えば、ビットコインドミナンスが上昇し、ビットコイン価格も上昇している場合、市場全体としては強気相場が示唆される。この局面では、アルトコインは比較的安定もしくは横ばいで推移する傾向がある。対して、ビットコインドミナンスが上昇し、ビットコイン価格が下落している場合は、アルトコインが急激な下落に見舞われる可能性があるという。
一方、ビットコインドミナンスが下落し、ビットコイン価格が上昇している場合は、アルトコインが急騰する可能性が高まる。しかし、ビットコインドミナンスとビットコイン価格が共に下落するタイミングでは、アルトコインは安定もしくは横ばい状態になる可能性が高いとしている。
ただし、ビットコインドミナンスやビットコイン価格、アルトコイン価格の動きは、あくまで相関性が高いに過ぎず、常に連動するわけではない。予期せぬ市場動向により、これらの相関性が崩れる可能性がある点には留意しておく必要がある。
今後の市場展開に注目が集まる
現在の市場状況を見ると、ビットコインドミナンスは64.20%で推移。8日以降に一時的な下落を見せたものの、その後は反発上昇。全体としては2024年12月からの上昇基調を維持している。これが今後、下落トレンドへ転じるようであれば、アルトコイン市場にも強気な価格上昇タイミングが訪れる可能性がある。

一方、アルトコインの時価総額は執筆時点で約2,700億ドル(約38.6兆円)となっており、2024年12月のピーク以降大きく減少していたものの、4月以降は回復傾向が見られている。市場全体がビットコイン主導の強気相場に入る中で、アルトコインも再び投資対象としての魅力を取り戻しつつある。

今回のビットコイン過去最高値更新は、仮想通貨市場全体にとって新たな局面の始まりを示唆している。今後、ビットコインドミナンスの動向がアルトコイン市場にどのような影響を与えるのか、引き続き注視していきたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.26円)