トランプ氏への期待や大手企業のビットコイン購入などが後押し
強気の価格上昇を見せるビットコインは16日、過去最高値となる10万7,000ドルを突破し、2021年以来の7週連続での上昇を記録した。
ビットコインは11月、長らく意識されていた7万ドルの壁を突破し、その後の買い圧力の強まりによって、わずか3週間で大台となる10万ドルを超える急上昇を見せた。週間ベースでは15日までに7週連続で上昇する形となっており、2021年以来となる最長の連続上昇を記録。執筆時点では10万6,000ドルを超えており、次に意識される11万ドルに向けて勢いを維持している状況だ。
ビットコインが高騰を続けた背景としては、暗号資産(仮想通貨)の政策を推進するドナルド・トランプ次期米大統領の高い支持が挙げられる。特に同氏のSEC(米証券取引委員会)委員長ゲイリー・ゲンスラー氏の解任宣言やビットコインを米国の準備金とする構想発表は、仮想通貨業界に対して大きなインパクトを与えた。
市場への資金流入の動きはETF(上場投資信託)を通じても顕著となっている。ビットコインETFは11月7日に過去最大となる約13億7,600ドルの純流入を記録。12月においては日次2億ドル以上の流入がコンスタントに続いており、執筆時点では一度も流出が記録されていない。
また、企業によるビットコインの大量購入も価格高騰の追い風になっている。米マイクロストラテジーは12月9日に約2万1,550BTC、16日には15,350BTCを買い増したことを発表しており、その保有量は執筆時点で約439,000BTCにも及ぶ。ビットコインの買い増しによる市場の好感から、同社の企業価値が向上することもビットコインの価格高騰を後押しする要因になっている。
しかし、市場の急激な高騰に対して過熱感を指摘する声もある。トランプ氏の仮想通貨政策が現実化するかは不透明であり、期待感先行での相場上昇は短期的な調整を招く可能性があるとの見方も強い。
機関投資家や企業の資金流入が続く限り、ビットコインは再度高値更新を目指す可能性が考えられるだろう。だが、市場動向は常に変化するため、慎重に市場を見極める姿勢が求められる。
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