暗号資産(仮想通貨)投資家のアンソニー・ポンプリアーノ氏は10日、暗号資産デリバティブ取引所ビットメックス共同創設者のアーサー・ヘイズ氏との対談を公開した。ヘイズ氏はAIによるデフレや中東情勢を背景に、将来的な法定通貨の増発がビットコイン上昇の契機になると主張。また次世代DEXなどアルトコインへの強い期待も語った。
AIによる大失業と「紙幣のゴミ化」が迫る中、暗号資産でどう資産を守り、増やすべきか
ヘイズ氏は現状のマクロ経済について、AIの普及が知識労働を代替することで強いデフレ圧力を生んでいると指摘した。一方で、原油や食料など生活に不可欠な必需品においてはインフレが進行しており、世界経済が二極化していると分析した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策については、最終的に米国政府の莫大な財政支出を支えるために紙幣の増刷を余儀なくされると予測した。そして、この法定通貨の増発こそが暗号資産市場に資金を呼び込む最大の契機になると見ている。
現在のビットコイン価格
BTCが最高値を下回って推移している理由について、同氏はビットコインを市場の流動性を測る「煙探知機」に例えた。世界的な資金供給が不足している現状を、価格が正確に反映しているとの見方を示した。
分散型取引所「ハイパーリキッド」への評価
自身の投資状況について、ヘイズ氏は純資産の90%以上をビットコインで保有していると明かした。現在は新たな法定通貨をビットコインに投入することは避け、大規模な紙幣増刷のタイミングを待っている。新たな資金は米国債などの利回り獲得に回すという。
その上で、手持ちのビットコインを売却してでも投資する価値があるアルトコインとして、ジーキャッシュ
ZECとハイパーリキッド
HYPEの2銘柄を挙げた。より高いリターンを狙うための、現在最も強気な投資先だとしている。
特に分散型取引所(DEX)のハイパーリキッドは、既存の中央集権型取引所にとって存亡を脅かす最大のライバルになると高く評価する。その理由は、暗号資産にとどまらず原油などの伝統的金融資産も扱っている点にある。
世界中の誰もが24時間365日、最大100倍のレバレッジで様々な資産を取引できる。証券口座を持たない数十億人の個人投資家に対し、明確な価格発見の場を提供できる点が、既存の金融機関にはない圧倒的な強みになると強調した。
また、手数料の97%が独自トークン「HYPE」の買い戻しに充てられるデフレ設計を称賛した。「人類史上最大の取引所になる可能性があり、HYPEを買うことは1929年のニューヨーク証券取引所の株を買うようなものだ」と投資妙味を語った。
AI時代の監視網に対抗する匿名通貨「ジーキャッシュ」
一方、ジーキャッシュに関してはAI技術の発展が背景にある。個人の取引履歴がAIによって容易に分析され、個人情報と結び付けられてしまう現代において、完全なプライバシー保護の需要は今後さらに高まると予想している。
政府や大手IT企業による監視網が広がる中、追跡不可能な「デジタルな現金」としての役割をジーキャッシュが担うと説明した。インターネット上でプライベートな支払い手段を求める欲求を反映し、その価値は大きく上昇すると結論づけた。
規制法案は不要、個人投資家主導の市場を強調
米国で議論される暗号資産関連の法案整備に対し、ヘイズ氏は「一切不要だ」と一蹴した。機関投資家の資金を呼び込むためのルール作りは、これまで金融へのアクセスを持たなかった一般市民のためのシステムという本来の価値を薄めると苦言を呈した。
同氏は、暗号資産の真の価値はあくまで個人投資家主導で形成されるものだと主張した。巨大金融機関が参入するのは、世界中の一般ユーザーが生み出す莫大な取引手数料の利益を狙っているに過ぎないと切り捨てた。
さらに市場の情報集約機能を高めるため、インサイダー取引の合法化を容認する独自の持論も展開した。あらゆる情報がリアルタイムで価格に反映される仕組みこそが市場本来の役割であり、より正確な価格発見機能をもたらすと結論づけた。
AIによる監視社会への防衛策として匿名通貨を評価し、既存金融の代替としてDEXを推すヘイズ氏の視点は鋭い。政府の法定通貨増発によるビットコイン上昇シナリオと合わせ、暗号資産の社会的意義と投資機会を的確に捉えた戦略だと言える。
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