AIの計算資源にも無期限先物を、ハイパーリキッド系団体が米CFTCに要望

AIの計算資源にも無期限先物を、ハイパーリキッド系団体が米CFTCに要望
水澤 誉往
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Highlights
  • ハイパーリキッド系団体が20日、AIの計算資源の無期限先物を含め上場を認めるよう米CFTCに意見書
  • 上場は先送りせず、相場操縦の懸念には監視の強化や建玉制限で対応するよう提案
  • NYMEXはH100とB200の利用料指数の先物を申請、ICEも計画、いずれも取引は始まっていない

米国の政策団体ハイパーリキッド・ポリシー・センター(HPC)は20日、AIの学習や運用に使う計算資源(コンピュート)のデリバティブについて、米商品先物取引委員会(CFTC)に意見書を提出した。満期のない無期限先物(パーペチュアル)を含め、上場を認めるよう求めた。

CFTCは8月19日、計算資源のデリバティブの上場について意見の募集を始めた。米官報によると、受け付けは10月20日まで。マイケル・セリグ委員長は発表で、計算資源の強いデリバティブ市場がなければ米国はAI競争に勝てないとの考えを示している。

HPC、GPUの利用時間は先物にできる商品と主張

HPCは、ハイパーリキッドHYPEHYPEを含むオンチェーン市場に米国民が規制のもとで参加できる道を整えることを目的に掲げる団体だ。意見書にはジェイク・チャービンスキーCEOとブラッド・バーク上級法律顧問が署名した。

意見書は、画像処理半導体(GPU)の1時間単位の貸し出し(GPUアワー)は、商品取引法が定める商品に当てはまると主張した。AIモデルが文章を読み書きする単位であるトークンを対象にした契約も、認めるべきだとしている。

計算資源は保存できず、使われなかった1時間はそのまま失われる。データセンターは24時間動き、需要も途切れないため、満期のない無期限先物が向くという。

HPCは意見書の中で7つの提言をまとめた。主な内容は次のとおり。

  • 現物市場の透明性が高まるのを、上場の条件にしない
  • 決済に使う価格指数は1つに絞らず、基準を満たす指数を複数認める
  • 相場操縦や寡占の懸念には、上場の先送りではなく監視の強化や建玉制限で対応する
  • 無期限先物は、既存の審査手続きと2026年の政策声明に沿って個別に審査する

価格指数の基準については、価格情報を配信するPyth Networkの中核開発企業Douro Labsが9月29日に出した意見書の案を支持した。ブロックチェーン上の市場では注文から決済までの記録を直接確かめられ、不正の監視に役立つとも主張している。

計算資源の無期限先物に特有のリスクには、需要の急変による資金調達率の乱高下、参照するGPUの世代交代、取引の薄い現物市場と資金調達率の間で価格の動きが増幅するおそれの3つを挙げた。資金調達率は、価格を指数に近づけるために買い手と売り手の間で定期的にやり取りする支払いだ。

対策として、資金調達率の上限や長めの期間での平均化、事前に公表して数日かけて進める指数の移行手順などを示した。

計算資源の先物、NYMEXとICEが上場を準備

意見書が引く価格データ会社Silicon Dataの集計では、エヌビディアのGPUであるH100のマーケットプレイスでの貸し出し価格は、2024年後半の1時間2.50〜3.19ドル(約395〜504円)から、2025年後半には1.92〜2.00ドル(約303〜316円)に下がった。

CFTCの意見募集は、2025年10〜12月期に設置済みの計算資源から年4,300億〜1.3兆ドル(約68兆〜205兆円)のサービスが生まれるとする研究者の推計を紹介している。

CMEグループ傘下のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)は8月11日、H100とB200の利用料の指数を使う月次の先物2本について、CFTCに承認を申請した。1枚は730 GPUアワー分で、現金で決済する。

申請書は10月5日の取引開始を見込んでいた。CMEグループは9月25日の通知で、開始日を未定に改めた。

インターコンチネンタル取引所(ICE)も5月19日、価格指数を手がけるOrnnと組み、H100やB200などのGPUの先物を始める計画を発表した。規制当局の承認が前提で、開始日は示していない。意見書は、どちらの先物もまだ取引が始まっていないとしている。

指数会社のMarketVectorは10月6日、ハイパーリキッド上で無期限先物の市場を展開するParagonに、米国上場の半導体株の指数の使用を許諾したと発表した。Paragonはこの指数を対象にした無期限先物に使う。意見書は、計算資源をめぐる金融がブロックチェーン上にも広がっている例に挙げた。

HPC、8月にはエネルギーの無期限先物も要望

米国では、CFTCが5月29日に予測市場のKalshi(カルシ)が申請したビットコインBTCBTCの無期限先物BTCPERPを承認し、無期限先物の上場をめぐる審査方針も示した。

HPCは8月26日、ハイパーリキッド上で無期限先物を展開するtrade[XYZ]と連名で、原油などエネルギーの無期限先物についての意見書もCFTCに出している。今回の意見書は、その中で示した継続取引の利点の多くが、計算資源にも当てはまるとした。

ハイパーリキッドの独自トークンHYPEは、金融庁の暗号資産(仮想通貨)交換業者登録一覧(9月30日現在)をJinaCoinが集計したところ、取り扱う業者として記載されている業者はなかった。

JinaCoinの価格データによると、執筆時点(日本時間20日21時47分)で1HYPE=78.55ドル(約1万2,412円)。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.02円)

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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