監査法人Mazars、仮想通貨取引所へのサービス提供を停止

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目次

監査法人Mazars、バイナンス含む仮想通貨取引所への監査業務の提供を停止

フランスに拠点を置く監査法人Mazarsは、業務提携関係にあった仮想通貨取引所に対し、これまで行ってきた監査業務を突然停止した。12月16日、CNBCBloombergなどメディア各社が報道し、明らかとなった。

Mazarsは今月、業務提携関係にあった仮想通貨取引所大手のバイナンス、KuCoin(クーコイン)、Crypto.com(クリプトドットコム)の準備金証明(Proof of Reserve)に関するレポートを開示したばかりである。

Mazarsはまず12月7日、バイナンス準備金証明レポートを公表し、翌12月8日にはKuCoin準備金証明レポート、続く12月9日にはCrypto.com準備金証明レポートを公表していた。

各取引所の資産証明レポートでは、準備金の保有率は概ね100%を超えていることが報告され、ユーザーからの預かり資産に対し1対1以上の準備金を保有していることが証明されていた。

MazarsはCNBCに対し以下の声明を発表している。

paused its activity relating to the provision of Proof of Reserves Reports for entities in the cryptocurrency sector due to concerns regarding the way these reports are understood by the public

https://www.cnbc.com/2022/12/16/mazars-suspends-all-work-with-crypto-clients-including-binance-cryptocom.html

仮想通貨企業の準備金証明レポート提供に関連する活動を停止した。一般の人々はこれらのレポートをどのように理解するのかという点で、懸念を払拭できないためである。

さらにMazarsはCNBCに対する同声明において、準備金証明レポートとは「資産に関する証明や監査の見解ではなく、合意された手続きに沿って進められた、限定的な調査結果の報告に過ぎない」と発言している。

11月に起きた仮想通貨取引所「FTX」破産をきっかけに中央取引所(CEX)への不安が高まった投資家やユーザーに対し、各取引所は続々と準備金証明の開示を進めていた。

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しかし今回、準備金証明レポートの不完全さに言及したMazarsの声明は、「準備金を証明することで、取引所の安全性をユーザーに提示する」という構図に楔を打つかたちとなった。

バイナンスCEOのChangpeng Zhao(チャンポン・ジャオ)氏は数日前、CNBCの経済番組「Squawk Box」に出演し、「バイナンスは監査会社と協力関係にあり、財務状況も良好である」という旨の発言をしたばかりだった。

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Mazarsと各仮想通貨取引所との業務提携解消が明らかとなった16日は、仮想通貨市場全体が混乱に陥り大幅安となった。

参考文献

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この記事を書いた人

斎藤 俊介のアバター 斎藤 俊介 ライター・ディレクター

2021年に下位アルトコインのノード運用とNFT投資から仮想通貨の世界に入り、2022年より暗号資産(仮想通貨)ライター職に従事。2022年11月からJinaCoinに参加し、現在ライター・ディレクターを兼務。ブルーチップNFT「MAYC」のホルダーになるのが目標。

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