イーサリアムは「もはや単なるブロックチェーンではない」──ヴィタリック氏

イーサリアム次期大型アップグレード、テストネットで稼働開始
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
水澤 誉往
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Highlights
  • ヴィタリック氏、今後のイーサリアムは従来のブロックチェーンとは質的に異なるシステムになるとの見方
  • 2030年以降はファイナリティが約8〜32秒となり、ノードの要件も大幅に軽くなると整理した
  • 来年予定のHegotáを最後の通常のフォークと位置づけ、以降は証明技術や量子耐性化が中心に

イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は27日、ブログ記事「The cryptographic world computer」を公開し、今後のイーサリアムは従来のブロックチェーンとは質的に異なるシステムになるとの見方を示した。同氏はXで、次期フォーク「Hegotá(ヘゴタ)」の次のフォーク以降に予定されるほぼすべての変更について、その本当の意味を簡潔に表そうとした試みだと説明している。

ブロックチェーンと呼ぶのは歴史的な経緯

同氏はX投稿で、イーサリアムについて「もはや単なるブロックチェーンではない」と述べた。ブロックチェーンと現代の暗号技術を組み合わせたハイブリッドな構造で、はるかに強力な性質を実現するものだという。

ブログでは、Lean(リーン)アップグレード後のイーサリアムがブロックチェーンと呼ばれるのは、多分に歴史的な理由によるとした。実態は、サトシ・ナカモトが示した中核的な考え方と、過去50年の学術研究から生まれた新しい暗号技術を融合したものだという。後者の多くは、2009年当時には存在しないか、まだ成熟していなかった。

同氏はこの主張を、ビットコインのホワイトペーパーを章ごとにたどる形で示している。

ビットコインのホワイトペーパー「ネットワーク」の章への書き込み。緑は2025年、青は2030年時点でイーサリアムが異なる設計になる箇所を示す 出典:ヴィタリック・ブテリン氏のブログ

各章の記述には、イーサリアムが2015年、2025年、2030年のどの時点でその設計から離れたか、または離れるかを色分けで書き込んだ。そのうえで、ブロックチェーンの中核的な性質はほぼすべて、すでに根本的に変わったか、まもなく変わると結論づけた。主な変化として挙げたのは次の3点である。

項目従来今後
ブロックの検証全データをダウンロードし、計算をやり直すデータの一部を抜き取って確認し、計算の正しさは短い証明で検証する
コンセンサスPoW → PoSさらに最適化したPoS
ブロックを作る権限1人のマイナーが作る複数の参加者で分担して作る

検証の変化については、データの一部だけを抜き取って確認する仕組みであるPeerDAS(ピアダス)の導入によって、イーサリアムはすでに単なるブロックチェーンからの移行を始めたとしている。

利用者には待ち時間とノード負担で違い

利用者が受け入れるトレードオフも大きく変わると、同氏は指摘する。2015年と2030年以降のイーサリアムを比べた主な違いは以下のとおりだ。

項目2015年2030年以降
取引の組み込み検閲への耐性はあるFOCILにより、取引がリアルタイムでブロックに入ることを保証
待ち時間ブロック約17秒、12承認で約200秒スロット約4〜8秒、ファイナリティ約8〜32秒
計算コスト非常に高い汎用的な計算は高いが、特定用途の計算の多くは大幅に安い
ノード大規模なノードを運用するか、他者を信頼する必要最良の保証にはノード運用が必要だが、要件は大幅に軽い

FOCILは、複数のバリデーターがブロックに含めるべき取引を指定し、特定の取引が締め出されるのを防ぐ仕組みだ。イーサリアム財団は、ヘゴタの合意形成層側の目玉機能と位置づけている。

アプリ開発では、計算の組み立て方が重要になるという。1つの取引に処理を詰め込んで順番に実行すると割高になり、並列で処理できる形に分ければ安くなる。署名や証明はブロックに入る前に、メンプール(未承認取引の待機場所)で集約される方向で、同氏が提案したEIP-8288もこの仕組みにかかわる。

同氏が最も重要な変化に挙げたのは、分散化の意味合いである。これまで安全性のための負担だった分散化が、限られた場面では性能面の強みにもなるとした。大量のデータ保存や計算を並列でこなせるほか、データの出どころを効果的に隠せるのは分散型ネットワークだけだという。

ヘゴタが最後の通常のフォークに

同氏は、ロードマップの草案「Strawmap(ストローマップ)」に照らすと、来年予定のヘゴタは、2015年の人にもなじみのある機能と技術で構成される最後の通常のフォークになる可能性が高いとした。それ以降は、計算の正しさを短い証明で示すSTARK(スターク)の再帰的な活用、形式検証の自動化、高度に最適化されたコンセンサス、そしてそれらすべての量子耐性化が中心になるという。

課題も残る。ゼロ知識証明を十分に効率的かつ安全にするのは難しいが、AIツールを使った最適化がすでに進んでいるとした。より難しいのは、非常に大量のステート(ブロックチェーン上の最新の状態データ)へのアクセスを管理し、並列化する部分だとみている。

さらに先には、難読化と呼ばれる暗号技術が実用化される可能性にも触れた。ただし、今回の結論はその実現よりずっと前に当てはまるとしている。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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