USDC、米CFTC認可下で初の先物取引担保に──CoinbaseとNodalが計画発表

JinaCoin編集部
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2026年の本格導入に向けた動きが進む

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所「Coinbase(コインベース)」の子会社で、CFTC(米商品先物取引委員会)認可の先物取引所「Coinbase Derivatives(コインベース・デリバティブ)」と、同じくCFTC認可の清算機関「Nodal Clear(ノーダルクリア)」は、米ドル連動型ステーブルコイン「USDC(USD Coin)」を先物取引の担保として活用する計画を発表した。これは、CFTCの規制下でUSDCを担保として用いる初の試みとなる見通しであり、2026年を目標に市場投入を目指す。

今回の取り組みは、両社の複数年契約の更新に基づいて進められるものであり、USDCの担保化を通じて先物取引の効率性と信頼性を高める狙いがある。USDCは、米ドルを裏付けとし、規制に準拠した運用が行われているステーブルコインであり、迅速な資金移動を可能とする特性がある。

担保としての利用に際しては、コインベースの信託子会社である「Coinbase Custody Trust(コインベース・カストディ・トラスト)」が資産保管を担い、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の認可を受けた信託業者として安全性を担保する。

コインベース・デリバティブのCEOであるボリス・イリエフスキー氏は「USDCを担保として導入することで、米国内の市場参加者にとっての取引機能が強化され、資金移動の迅速化および安全な資産保管が実現する」と述べている。

ノーダルクリアは、ドイツ取引所グループ傘下のEEXグループに属するデリバティブ清算機関であり、厳格なリスク管理体制を有している。透明性と規制準拠性を備えたUSDCの担保採用は、同社の枠組みに自然に適合するものだとしている。

今回の取り組みは、米国におけるステーブルコインが金融市場へと組み込まれていく流れの一環とみられており、規制当局の対応も進展している。2024年11月、CFTCのグローバル市場諮問委員会は、分散型台帳技術(DLT)を活用した非現金担保の利用拡大を提言した。また、米議会でもUSDCを現金同等物と認定する法案の審議が進んでおり、法整備に向けた動きが強まっている。

今回の発表は、規制下でのステーブルコイン活用という観点で重要な進展である。特に、USDCのような透明性と信頼性を備えたデジタル資産が、従来型の金融取引に組み込まれることは、金融インフラの近代化を象徴する動きと言えるだろう。今後も法制度の整備と技術の信頼性向上を両輪として、ステーブルコインの社会実装が着実に進んでいくことが期待される。

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