下院議員マイク・レビン(カリフォルニア州第49区)と上院議員アダム・シフ(民主党・カリフォルニア州)は10日、「DEATH BETS Act」を共同提出した。テロ、暗殺、戦争、個人の死亡に関わる予測市場契約を全面禁止する法案で、商品先物取引委員会(CFTC)の登録主体が対象契約を上場・清算受託することを無条件で禁じる内容である。
CFTCの裁量禁止規定を「完全禁止」へ格上げ
現行の商品取引法(Commodity Exchange Act)では、戦争・テロ・暗殺に関する予測契約の取り扱いは、委員会が「公共の利益に反する」と判断した場合にのみCFTCが禁止できる裁量規定となっている。同法案はこの裁量を撤廃し、登録主体が戦争・死亡関連の契約を上場・清算受託することを無条件で禁じる新規定を商品取引法第5c条に挿入する内容だ。
レビン議員は「イランへの米軍攻撃タイミングの予測だけで5億ドル超が賭けられた。これは容認できない」とプレスリリースで述べた。シフ議員も「内部情報を持つ者が利益を得られる環境を生み出し、国家安全保障を脅かす。CFTCが規制の見直しを進める今こそ、議会が明確に禁じる必要がある」とした。
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法案提出の背景には、予測市場での具体的な事例がある。レビン議員のプレスリリースによると、Kalshi(カルシ)にはイランの最高指導者アリ・ハメネイ師が「最高指導者を退く」かを賭ける市場が開設され、一時停止前に5,400万ドル(約85億円)の取引量を記録した。
議会の動きに先立ち、シフ議員を含む上院議員6人は2026年2月23日、CFTCのマイケル・セリグ議長へ書簡を送付。既存法に基づいて死亡・戦争関連の予測契約を禁止するよう要求していた経緯がある。
セリグ議長はフロリダ州ボカラトンで開催されたFIA会議のスピーチで、予測市場に関するガイダンスをスタッフに策定させ、業界意見を募るANPRM(規則制定の事前予告)の準備を指示すると表明した。ガイダンスとANPRMによる規制整備を進める同議長の立場に対し、DEATH BETS Actは議会による即時の完全禁止を求めるもので、規制の方向性をめぐって対立する構図となっている。




