AIインフラ事業「Stargate」発表の記者会見にて
トランプ大統領は21日、ホワイトハウスでの共同記者会見において、自身の公式ミームコイン「Official Trump(TRUMP、以下トランプコイン)」について初めて公式の場で言及した。
記者の「先日、新しいコインをローンチしたが、任期中に私的な利益を生むような物の販売を続けるつもりなのか」という質問に対し、トランプ大統領は「それが利益的なものかどうか、また今いくらなのか、詳しいことは把握していない。ただ、ローンチされたことと、うまくいっているという話は聞いている」と答えた。
さらにトランプ大統領が記者に「今(トランプコインは)いくらですか」と尋ね、記者が「数日のうちに数十億ドルを生み出している」と答えると、トランプ大統領は「それはこの方たち(会見に同席した企業代表を示しながら)にとってはピーナッツ(すずめの涙程度の金額)だ」とジョークを交え、笑いを誘う場面も見られた。
今回の記者会見は、トランプ大統領が主導するAIインフラ事業「Stargate(スターゲイト)」の発表を目的に行われたものであり、「ソフトバンクグループ」の孫正義社長、「OpenAI(オープンAI)」のサム・アルトマンCEO、ソフトウェア大手「Oracle(オラクル)」のラリー・エリソン会長が同席した。
このプロジェクトは、アメリカ国内でのAIインフラ整備に今後4年間で最大5,000億ドル(約78兆円)の投資を行う計画で、これにより10万人以上の雇用創出が見込まれている。プロジェクトの詳細説明や各企業代表者によるコメントが行われる中で、トランプ大統領のミームコインについての質問が飛び出した形だ。
発言に対する解釈と報酬条項の懸念
トランプ大統領の発言については、ミームコインの詳細を把握していない可能性がある一方で、米憲法の「報酬条項」による批判を避けるために具体的なコメントを控えたとの解釈もある。
報酬条項では、大統領を含む連邦公務員がその地位を利用して私的利益を得ることを厳しく制限している。この条項の目的は、個人の利益よりも国家の利益を最優先にすることを確保するためだ。今回のトランプ氏の発言も、この懸念に配慮した結果とみる向きもある。
トランプ氏公式ミームコイン「TRUMP」の最新動向
トランプコインは、ソラナブロックチェーン上に構築されたトランプ大統領の公式ミームコインで、18日(日本時間)にローンチされた。このトークンは歴史上最も急速に成長したミームコインとなり、時価総額は一時130億ドルまで急上昇したが、執筆時現在は約80億ドルに落ち着いている。
ただし、発売直後から価格は乱高下しており、ボラティリティの激しい市場となっている。また、20日(日本時間)にはメラニア夫人が公式ミームコイン「メラニアコイン(MELANIA)」を発売すると、先行していたトランプコインの価値は希薄化し、一部の投機筋が資金を移動させたことで価格が下落したとの指摘もある。
トランプコインは、大統領という立場での発行が注目を集める一方で、その意義や倫理的側面を巡る議論も巻き起こしています。今後の価格動向や市場の反応を含め、さらなる注目が集まりそうです。
トランプコインは、世界的に注目される一方で、報酬条項や価格のボラティリティといった課題を抱えている。メラニアコインの登場を含め、今後の展開が市場や政治にどのような影響を与えるのか、引き続き注目されるだろう。
関連:メラニアコイン(MELANIA)の購入方法|買い方を解説|トランプ氏の妻のミームコイン
関連:トランプコイン、下落を回避するも大統領令待ち【ミームコインチャート分析】