「アメリカ・ファースト」ETFをTruth.Fiブランドで展開予定
ドナルド・トランプ米大統領が創設した「Trump Media and Technology Group Corp.(トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ、以下TMTG)」は22日、暗号資産(仮想通貨)取引所「Crypto.com(クリプトドットコム)」および資産運用会社「Yorkville America Digital(ヨークビル・アメリカ・デジタル)」と提携し、新たなETF(上場投資信託)を年内に市場に投入すると発表した。
TMTGは、ソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」やストリーミングサービス「Truth+(トゥルースプラス)」、そして金融サービスブランド「Truth.Fi(トゥルースファイ)」を展開する企業で、今回の提携は、同社が2024年3月に両社と結んだ拘束力のない合意に基づいて進められてきた。今回の契約により、3社は「アメリカ・ファースト」をテーマとしたETFの立ち上げを目指す。
発表によれば、新たに展開されるETFは、クリプトドットコムの子会社である「Foris Capital US (フォリスキャピタルUS)」を通じて提供される。これらのファンドは、エネルギーをはじめとする幅広い業界にまたがる「Made in America」に焦点を当てた証券に加え、デジタル資産で構成される予定だ。米国を含む欧州・アジアの市場でも広く取引可能となる見通しで、規制当局の承認を得たうえで、2025年中のローンチが計画されている。
今回のETF商品は、Truth.Fiブランドで展開される富裕層向けサービス「個別管理口座(SMA)」としての提供も予定されている。また、TMTG自身も今回のETF商品に最大2億5,000万ドル(約351億円)の現金資産を投資する計画だ。
今回のプロジェクトに関して、TMTG会長兼CEOのデビン・ヌネス氏は、「この合意はTMTGの金融サービスおよびデジタル資産への多角化における重要な一歩である」と述べたうえで、「アメリカ経済とデジタル資産の成長を信じる投資家にとって、魅力的な商品になるだろう」と期待感を示した。
クリプトドットコムの共同創業者兼CEOであるクリス・マルシャレク氏も、「当社は仮想通貨と伝統的金融の橋渡しを担う存在として、このパートナーシップによってトランプ・メディアのETFが世界中で展開されることになる」と語った。
また、ヨークビル・アメリカ・デジタルCEOのトロイ・リロ氏も「今回の正式契約は、我が社の“アメリカ・ファースト”の理念に基づいた新たな投資商品の市場投入に向けた大きな節目だ」とコメントしている。
今回の発表は、TMTGが金融分野への進出を本格化させることを意味しており、SNSやストリーミングサービスに続き、フィンテック領域でのプレゼンス拡大を狙う動きとみられる。
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