影響力あるアカウントが詐欺に悪用されるリスクが改めて浮き彫りに
4月2日16時20分ごろ、芸能人でタレントの田村淳氏の公式X(旧Twitter)アカウントが何者かにハッキングされ、不審な投稿が立て続けに行われた。田村氏のアカウントは、約324万人のフォロワーを抱える人気アカウントであり、影響力の大きさからネット上で瞬く間に拡散した。



問題となった投稿は、いずれも暗号資産(仮想通貨)関連の内容で、合計3件が短時間のうちに投稿された。最初の投稿には仮想通貨「ソラナ(Solana)」や「ミームコイン(MemeCoin)」といったキーワードが含まれていた。続く2件目の投稿では、まるで田村氏自身が仮想通貨プロジェクトに関与しているかのような内容が書かれていた。
そして3件目の投稿では、「準備はいいですか?SOLを準備して、あと数時間でローンチです!」と煽るような文言が並び、拡散を促す形で「リツイートしてください」と結ばれていた。いずれの投稿も絵文字やカジュアルな表現が多用され、一般的なプロモーション投稿に見られる特徴と一致している。
なお、現時点で投稿された3件のいずれにも、外部サイトへ誘導するURLやリンクは確認されていない。そのため、典型的なフィッシング詐欺のようにユーザーからパスワードや秘密鍵を盗み取る直接的なリスクは、現段階では低いと見られている。
しかし、「SOLを準備しろ」「ローンチまであと数時間」といった投機を煽るような表現が用いられていることから、仮想通貨の価格を吊り上げる「ポンプ&ダンプ(Pump and Dump)」と呼ばれる詐欺的なマーケティング手法との関連も否定できない。過去には、有名人の信頼性を利用して草コインを宣伝し、後に大量売却で暴落させるといった手口も確認されている。
さらに、不正アクセスされたアカウントが信頼を得た上で、後日リンク付きの投稿やダイレクトメッセージを用いて被害を拡大させるケースも報告されており、状況の推移には引き続き注意が必要だ。
この一連の投稿について、田村氏本人からの公式なコメントや声明は本記事執筆時点(4月2日17時45分現在)では確認されていない。また、X社からの対応や調査状況についても明らかになっていない。
今回の事例は、影響力の大きなアカウントが狙われることで、より多くの被害者が出るリスクを示している。個人はもちろん、芸能人やインフルエンサーも二段階認証などの基本的なセキュリティ対策を徹底し、異変があった場合は速やかに対処することが求められる。また、一般ユーザー側も、著名人の発信だからといって無条件に信用せず、情報の出所や意図を冷静に見極める姿勢が重要だ。
追記(4月2日22時45分):
4月2日22時16分(日本時間)、田村淳氏のX(旧Twitter)アカウントのハッキングをおこなった犯人によって「数ヶ月の開発、計画、準備を経て、ついに $BOOTS が今、ローンチしました」という内容の投稿が行われた。投稿には、コントラクトアドレスおよび詐欺コインへのリンクも含まれていた。

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