タイ証券取引委員会(SEC)は8日、国内で暗号資産(仮想通貨)の上場投資信託(ETF)を設定・運用するための規則を公表した。関連する11本の告示を16日に施行する。当初の投資対象はビットコイン(
BTC)とイーサリアム(
ETH)で、ETFはタイ証券取引所(SET)だけに上場する。
タイの暗号資産ETF、ビットコインとイーサリアムの単一銘柄型に
タイSECによると、暗号資産ETFは、投資する暗号資産の価格への連動を目指すパッシブ型のファンドとして運用しなければならない。各会計年度を通じて、純資産額の平均80%以上を単一の暗号資産に充てる必要がある。
投資できる暗号資産は、流動性、市場での受け入れ、ネットワークの安全性、投資家保護を考慮してSECが定める。当初はビットコインとイーサリアムに限る。
ファンドの資産は、SECが監督する暗号資産カストディ業者だけが保管できる。運用会社が暗号資産の運用を外部に委託する場合も、委託先は免許を持つ暗号資産ファンドマネージャーに限られる。
投資家保護の措置として、ETFの売買前に、商品の特徴やリスクを理解したことを投資家が確認する仕組みを設ける。証券会社は、暗号資産ETFの購入資金を貸し付ける信用取引を提供できない。暗号資産交換業者を通じた取引で、購入資金の貸し付けが認められていないことと足並みをそろえた。
タイの投資信託やプライベートファンドは、これまで海外の暗号資産ETFにしか投資できなかった。今回の改正で、国内の暗号資産ETFにも投資できるようになる。
一方で、暗号資産ETFの発展を支え、タイの事業者の能力を高めるため、当初は海外の暗号資産ETFに連動する預託証券(DR)などの発行や販売を認めない。証券会社が、機関投資家や超富裕層以外の顧客の海外の暗号資産ETFへの投資を仲介することも、当初の段階では許可しない。
タイSECの公開資料によると、制度づくりは次のように進んだ。投資対象の暗号資産の一覧は、11本の告示のうちSEC事務局の告示(Sor Nor. 15/2569)で定めている。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年12月4日 | SEC理事会が暗号資産ETFの枠組みを承認 |
| 2026年2月17日 | 資本市場監督委員会が枠組みを承認 |
| 2026年4月10日〜5月11日 | 原則の案の意見公募 |
| 2026年8月21日〜9月20日 | 告示の案の意見公募 |
| 2026年10月8日 | 11本の告示を公表 |
| 2026年10月16日 | 告示を施行 |
意見公募では、多くの回答者が原則の案と告示の案に賛成したという。
タイと日本の暗号資産ETF、日本は投信法施行令の改正が前提
日本では、2025年12月に決まった2026年度の税制改正大綱で、暗号資産ETFについて、投資信託法の施行令の改正を前提に分離課税の対象とする方針が示された。
暗号資産を金融商品取引法の規制対象に移す改正法も、7月15日に成立している。
改正法は7月23日に公布され、暗号資産に関する規定は公布から1年以内に政令で定める日に施行される。
| 項目 | タイ | 日本 |
|---|---|---|
| 制度の状況 | 11本の告示を10月16日に施行 | 投信法施行令の改正を前提に、暗号資産ETFを分離課税とする方針(2026年度税制改正大綱) |
| 当初の対象 | ビットコイン、イーサリアム | ― |
| 上場先 | タイ証券取引所のみ | ― |
| 信用取引での購入 | 禁止 | ― |
| 暗号資産取引の税 | ― | 現行は総合課税で最大55%。改正金商法の施行の翌年1月から、特定暗号資産の譲渡益に20%の申告分離課税 |
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