渡辺創太氏率いるWeb3企業のスターテイル・グループは25日、SBIグループおよびソニーイノベーションファンドから総額6,300万ドル(約100億円)のシリーズA資金調達ラウンドを完了したと発表した。金融やエンタメ、現実資産(RWA)のオンチェーンインフラ普及を加速させる狙いだ。
機関投資家向けの金融インフラと、消費者向けスーパーアプリの開発を推進
本ラウンドは、今年1月に発表されたソニーからの1,300万ドル(ファーストクローズ)と、今回のSBIからの5,000万ドル(セカンドクローズ)で構成される。この2社の出資により、総額6,300万ドルのシリーズA資金調達が完結した形だ。
今回の大型調達は、SBIとの提携深化を象徴している。両社は2025年8月に発表した合弁事業を通じて、RWA(Real World Assets、現実資産)取引向けの独自ブロックチェーン「ストリウム」や、信託銀行が裏付ける初の日本円ステーブルコイン「JPYSC」をすでに共同開発している。
渡辺創太CEOは「SBIとの緊密な連携により、日本株や円ステーブルコインを中心としたトークン化の普及を今年加速させる」と述べた。SBIの北尾吉孝会長兼社長も、デジタル金融における垂直統合戦略を牽引し、社会のオンチェーン化を促進すると語っている。
機関投資家と消費者の両市場へアプローチ
本ラウンドの完了により、スターテイルは二つの大きな潮流の最前線に立つ。一つはSBIを通じた機関投資家向けのオンチェーン金融インフラの導入であり、もう一つはソニーとの提携によるエンターテインメントとブロックチェーンの相乗効果である。
今回調達した資金により、同社は垂直統合戦略を加速させる。まず機関投資家向けの「ストリウム」の規模を拡大し、アジアのオンチェーン資本市場における決済および交換の基盤となるフレームワークを構築し、証券トークンやRWA取引の基盤を強化する計画である。
次に、ステーブルコイン「JPYSC」および「USDSC」の採用を拡大する。法定通貨と暗号資産のシームレスな統合を実現し、個人、企業、機関投資家に向けて、オンチェーンでの配当や利回り分配を行う機能を追加で提供していく方針だ。
さらに「Startale App」をスーパーアプリへと昇華させる。資産管理、ミニアプリ、決済、ソーシャル機能を直感的なインターフェースに統合し、ソニーと共同開発するブロックチェーン「ソニューム」上で展開して数百万人にシームレスな体験を提供する狙いだ。
オンチェーン金融を牽引するSBIと、エンタメ経済圏を持つソニーの両翼を担う意義は極めて大きい。堅牢な証券・決済システムと、大衆向けのエンタメ体験がブロックチェーン上で交差することで、機関投資家から一般消費者までを巻き込むかつてない規模のWeb3経済圏が誕生する可能性がある。
関連:SBIとスターテイル、オンチェーン金融特化L1「ストリウム」発表
関連:SBIとスターテイル、「JPYSC」発表──信託型円建てステーブルコイン発行へ




