日本経済新聞が8日に報じたところによると、ソニー銀行は同グループ全体へステーブルコインを決済基盤とする提案を進めているという。ソニー銀行の渡邉尚史専務取締役は「データドリブンな世界にブロックチェーン技術は相性がいい」と語っており、グループ横断でのステーブルコイン活用に意欲を示している。
ステーブルコインでエンタメ決済革新へ、少額決済による収益拡大への期待示す
ソニー銀行は2025年12月、ステーブルコイン発行基盤を手掛ける米バスティオンとの業務提携を発表。米国で米ドル建てステーブルコインの発行を目指している。ゲーム・音楽・映画などの事業がソニーグループの約6割の売上を占める中、これらエンタメ事業での決済にステーブルコインの活用を想定しているという。
ステーブルコインに注目する理由について、渡邉氏はコスト面でのメリットを挙げている。既存の決済手段ではクレジットカード会社や決済代行業者への手数料が発生するが、ステーブルコインを活用すれば仲介コストを削減できる可能性がある。
こうしたコスト構造の変革を見据え、渡邉氏は「今のシステムでは数円〜数十円の決済はコストが見合わない。マイクロペイメント(少額決済)が広がれば、その分トップラインも伸びる」と語り、少額決済の実現による収益拡大に期待を寄せている。
さらに、グループ内のアカウントやデータを「ソニーブランド」として統合する「エンゲージメントプラットフォーム」構想においても、ステーブルコインは決済インフラの有力候補となっている。ブロックチェーン上でのデータ記録・追跡機能を活用し、各事業をシームレスにつなぐ決済基盤としての役割が期待される。
なお、ソニー銀行は先月2日に日本円ステーブルコイン「JPYC」を手掛けるJPYC社と戦略的業務提携を締結。ソニー銀行の口座から、直接JPYCを即時購入できる機能の実現に向けた協議が進められている。
ゲームや音楽といったグローバルなエンタメ事業を抱えるソニーグループにとって、ステーブルコインの導入は国境を越えた決済の効率化に寄与する可能性がある。今後の展開次第では、日本企業によるステーブルコイン活用のモデルケースとなりそうだ。
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