米シャープリンク、4.6億ドル相当のイーサリアム取得──上場企業で最大の保有者に

JinaCoin編集部
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ジョセフ・ルービン氏が会長就任、戦略転換へ

米Nasdaq(ナスダック)に上場する「SharpLink Gaming(以下、シャープリンク)」は13日、合計176,270.69 ETHを取得し、世界で最も多くイーサリアムを保有する上場企業となったと発表した。取得総額は4億6,294万7,816ドル(約668億円)で、平均取得価格は1 ETHあたり2,626ドルだった。

発表によると、今回のイーサリアム取得により、シャープリンクは上場企業としては最大のイーサリアム保有者となり、イーサリアムの主要開発組織「イーサリアム財団」に次ぐ世界第2位の規模となる。

シャープリンクは2025年5月に新たな財務戦略として、イーサリアムを主軸としたトレジャリー(財務準備)方針を打ち出していた。この戦略の一環として、同社は「Consensys(コンセンシス)」を筆頭に、「Pantera Capital(パンテラ・キャピタル)」、「Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)」など複数の著名投資家から総額4億2,500万ドル(約613億円)の資金を調達している。

これを契機に、コンセンシス創業者兼CEOであり、イーサリアム共同創設者でもあるジョセフ・ルービン氏が、シャープリンクの会長に就任した。ルービン氏は今回の購入について、「シャープリンクの戦略はイーサリアムの長期的な信頼性とセキュリティに資するものだ」とコメントしている。

また、シャープリンクは同年5月30日から6月12日にかけて、ATM(at-the-market)方式で株式を売却し、約7,900万ドル(約114億円)の追加調達にも成功。これらの資金の大半もイーサリアムの追加購入に充てられており、同社のイーサリアム保有方針の一貫性を裏付ける。

さらに、6月13日時点で保有するイーサリアムの95%以上が、ステーキングおよびリキッドステーキングにより運用されており、イーサリアムネットワークのセキュリティ強化とネイティブリターンの創出という二重の効果をもたらしている。

シャープリンクによるイーサリアムの戦略的取得と積極運用は、暗号資産(仮想通貨)を財務資産とする企業姿勢の一つのモデルケースとなる可能性がある。単なる保有にとどまらず、ネットワーク参加を通じた価値貢献という視点は、将来の企業財務のあり方に一石を投じるものだ。今後の同様の動きは、法整備の進展と市場の成熟度に大きく左右されるだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.43円)

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