ポルカドット初のETF承認に向けて前進|DOT価格は9時間で4.8%増
米SEC(米証券取引委員会)は現地時間20日、米ナスダックが17日付で提案書を提出していたポルカドット(Polkadot)現物ETFの上場申請を受理し、正式な審査プロセスを開始したことを発表した。
ポルカドットは、複数のブロックチェーンを相互接続するブロックチェーンプロジェクト。ガバナンストークンである「DOT」は、執筆時点で時価総額ランキング19位となっている。
今回受理されたのは、スイスの資産運用会社「21Shares(21シェアーズ)」が運営する「21Shares Polkadot Trust」。SECは20日から審査を開始し、パブリックコメントの募集を開始した。申請書によれば、本ETFはDOTの価格を追跡するパッシブ型ETFとのこと。保管機関は「Coinbase Custody(コインベースカストディ)」とされている。
この発表は、ポルカドット現物ETFの上場を正式に承認したものではないが、そのプロセスが一歩進んだことを意味している。
SECによる仮想通貨ETFの承認プロセスとしては、「S-1申請書」と「19b-4申請書」の承認が必要になるが、21シェアーズは1月31日付で「S-1申請書」をSECに提出済みだ。そして、今回受理されたのが「19b-4申請書」である。
承認プロセスは、「19b-4申請書」の審査承認を経て、最終的に「S-1申請書」が承認され、ETFが上場されるという流れだ。当然、その過程で「19b-4申請書」が却下されるなどすると、申請プロセスが遅れることになる。よって、今回の「19b-4申請書」が受理されたことで、上場に向けた重要なステップを一つ進めたといえるだろう。
すでに米国で現物ETFが承認されているイーサリアムの場合は、2024年5月24日に8社の「19b-4申請書」がすべて承認され、「S-1申請書」の最終承認を経て、7月23日から現物ETFの取引が開始されている。これは参考事例に過ぎないものの、順調に審査が進み「19b-4申請書」が承認されれば、それから数ヶ月で現物ETFの取引が開始される可能性があるということだ。
なお、本発表を受けて、DOT価格は9時間ほどで約646円から677円に高騰している。

激しい値動きが特徴の仮想通貨としては、今回の発表後の伸び幅は微増ではあるものの、投資家からはポジティブなニュースとして評価されていることは間違いないだろう。
現在、米国ではビットコインやイーサリアムをはじめ、ソラナ(SOL)、ライトコイン(LTC)、リッブル(XRP)などのアルトコインのETFが次々と申請されている。ETFの承認によって機関投資家の流入や、金融資産としての強固な評価の獲得が期待できるからだ。
今回の発表によってポルカドットも、「ビットコインとイーサリアムに次ぐ3番目の現物ETF候補」に名乗りをあげたともいえる。どのETFが承認されるのか、今後もその行方に注目したいところだ。
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