暗号資産(仮想通貨)XRPの開発企業リップルの社長であるモニカ・ロング氏が20日、2026年の暗号資産予測を公開した。この中で同氏は、2026年末までにフォーチュン500(米国の上位企業500社)の約半数が暗号資産を正式に財務戦略として組み込むとの大胆な予測を示した。
暗号資産が金融基盤へと進化、企業のデジタル資産保有額は158兆円超へ
ロング氏は、過去数年にわたり技術面と規制面の整備が進んだことで、暗号資産が投機的な対象から実務で使われる金融基盤へと性質を変えつつあると分析した。同氏は2026年が機関投資家や大企業が本格参入する転換点となり、企業や金融機関のバランスシート上で保有されるデジタル資産総額は年末までに1兆ドル(約158兆円)を超えるとの予測を示している。
こうした変化を支える中核要素として挙げられたのが、ステーブルコインの普及だ。米国でジーニアス法が成立し、デジタルドルの利用が制度上明確に認められたことで、法令遵守を重視したステーブルコインが国際的な標準になるとロング氏は指摘する。特に企業間決済では、支払い待ちなどで滞留していた運転資本をリアルタイムで移動させる手段として普及が進むとみている。
ロング氏は併せて、リップルが米通貨監督庁(OCC)から「リップル・ナショナル・トラスト銀行」設立の条件付き承認を得た事実にも触れた。これはステーブルコインを含むデジタル資産を、法令を順守した形で提供するための基盤整備の一環とみられる。規制を前提としたインフラ構築は、機関投資家の信頼を獲得する鍵と言えるだろう。
また、今後の金融機関の参入に不可欠な要素として、暗号資産の保管と管理を担うカストディの重要性も指摘。カストディサービスは一般化しつつある一方、単独での提供が難しくなり、多角化や垂直統合を迫られているという。規制対応や再編の流れを背景に、年内には世界トップの銀行50社の半数以上がカストディ戦略の再構築に動き出すとの見通しを示している。
さらにロング氏は、ブロックチェーンとAIの融合にも注目している。AIがスマートコントラクトを活用することで、資金管理や運用の自動化が進むと説明した。加えて、ゼロ知識証明を組み合わせることで、機密情報を守りながらリスク評価を行うことも可能になるとし、規制の厳しい金融分野でもAI導入が加速する可能性を示している。
2026年は、暗号資産が世界の金融システムに深く組み込まれるかどうかを左右する重要な年になる。ロング氏の示すとおり、企業と金融機関の動向は年内における暗号資産市場の成否を決定づけることになりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.7円)
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