ウォレットインフラ「Privy」、Suiに対応──ユーザー体験をシームレスに

伊藤 将史
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開発者のウォレット機能実装がより簡単に

認証機能およびウォレットインフラを提供する「Privy(プリビー)」は16日、新たにレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network(スイネットワーク)」への対応を開始したと発表した。この統合により、開発者はプリビーのツールを用いて、Suiネットワーク上のdApps(分散型アプリケーション)を構築可能になり、エンドユーザーに対して暗号資産(仮想通貨)ウォレットの複雑さを意識させないシームレスな利用体験を提供することが可能になる。

プリビーは、企業が自社製品に仮想通貨関連機能を容易に組み込むための認証およびウォレット基盤を提供するサービスである。これまでに5,000万以上のアカウントをサポートし、数十億ドル規模の取引量を処理してきた実績を持つ。

主な特徴は、仮想通貨の経験の有無にかかわらずあらゆるユーザーをスムーズに製品へ導入できるオンボーディング機能や、開発者が柔軟にウォレットを管理できるAPI、そして高いセキュリティにある。イーサリアムソラナ、その他多くのEVM互換チェーンに対応しており、今回新たにSuiがそのサポート対象に加わった。

一方、SuiはMove言語の採用やオブジェクト中心のデータモデルによる並列処理能力の高さが特徴とされ、これにより高いスケーラビリティと低い取引手数料を可能にしている。プリビーは、Suiの持つ将来性と開発者からの需要に応える形で今回の統合に至ったものと見られる。

今回の統合による具体的なメリットとして、まず開発者にとっては、プリビーが提供するSDK(ソフトウェア開発キット)やAPIを利用することで、Sui上でのdApps開発におけるユーザー認証、ウォレットの作成・管理、トランザクション署名といった複雑なプロセスを大幅に簡素化し、開発効率の向上が期待できる。これにより、Suiの高性能な基盤上で、より洗練されたユーザー体験を持つアプリケーションを迅速に市場投入することが可能になる。

Sui公式Xアカウントもプリビーの発表を引用し、「プリビーのSuiへのサポートが始まりました!プリビーは、スムーズで安全なウォレットフローにより、ユーザーのSuiアプリへのオンボーディングを容易にします」とコメントを発表。今回の連携への期待感を示した。

Suiの持つ高いスケーラビリティと、プリビーが提供するウォレットインフラが融合することで、今後どのような革新的なサービスが生まれるか、その展開が注目される。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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