政府が不正アクセスを確認、投稿はすでに削除
南米パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領の公式Xアカウントが日本時間10日午前3時頃、何者かに乗っ取られ、「ビットコインを法定通貨にする」といった虚偽の投稿が行われた。

問題の投稿では、パラグアイがビットコインを法定通貨として採用したとする発表に加え、500万ドル規模のビットコイン準備金の設立や、暗号資産(仮想通貨)対応の市民向け債券制度などが英語で記されていた。さらに、ビットコインのウォレットアドレスも記載され、「あなたの投資がこの展開の規模を決める」として資金送付を促す内容も含まれていた。こうした投稿内容から、今回のハッキングはビットコインの詐取が目的であったとみられる。
なお、ペニャ大統領の過去の投稿はすべてスペイン語であったため、この英語による投稿に対し、仮想通貨コミュニティでは早い段階から不審視する声が上がっていた。また、投稿に記載されていたビットコインアドレスには、当時4ドル相当のBTCしか入っていなかったことも報告されている。
一連の事態を受け、パラグアイ大統領府の公式Xアカウントは、「大統領アカウントに許可されていないアクセスがあった」と報告。ビットコイン関連の情報は虚偽であると発表し、現在では該当の投稿は削除されている。
その後、ペニャ大統領自身もアカウントの権限を取り戻したようで、午前6時過ぎにXを更新。「サイバーセキュリティは鍵であり、これらの出来事は、安全で信頼性が高く、回復力のあるデジタルエコシステムの構築に私たち全員が貢献しなければならないことを示しています」と述べ、サイバーセキュリティの重要性を訴えた。
著名人や政府機関のソーシャルメディアアカウントが乗っ取られ、仮想通貨関連の詐欺に悪用される事件は後を絶たない。有名人のSNSアカウントからセンセーショナルな話や”うまい話”が投稿された際は、十分に注意する必要があるだろう。
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