米ニューヨーク前市長のエリック・アダムス氏は15日、13日にローンチした暗号資産(仮想通貨)「NYC Token(NYC)」を巡って浮上した流動性操作の不正疑惑について、公式Xを通じて自身の関与を明確に否定した。
Bubblemaps、運営チームによる100万ドル超の引き出しを指摘
今回の疑惑は、オンチェーン分析企業Bubblemaps(バブルマップス)が13日に投稿した調査内容をきっかけに広がったものだ。同社の投稿では、運営チームが流動性プール内のUSDC
USDCを繰り返し出し入れすることで、総額100万ドル(約1.5億円)を超える資金を市場から引き出したと指摘している。
こうした指摘を受けてアダムス氏は、広報担当者を通じた声明を発表した。その中で、同氏がNYC
nyc-tokenから資金を動かした、あるいは利益を得たとする主張はいずれも事実無根だと述べた。同氏の関与は個人的または金銭的利得を目的としたものではなく、資金の移動もなかったと全面的に否定している。
NYCは取引開始直後に急騰し、その後急落する展開となったが、この点について声明では「多くの新規デジタル資産と同様、NYCトークンは市場の変動を経験した」と説明。今回の値動きがあくまで市場のボラティリティに起因するものであり、不正疑惑によるものではないことが示唆されている。
疑惑の一方で取引参加者の約6割が損失、1,580万円超の損失を被る投資家も
不正疑惑騒動に揺れる中、バブルマップスはNYC投資家の損失状況に目を向けている。同社は15日、NYCの取引参加者である約4,300人のうち、およそ6割が損失を抱えているとの実態を明らかにした。
同社の分析によると、損失を被った投資家の半数以上は1,000ドル(約15万円)未満に集中している。その一方、10万ドル(約1,580万円)以上の損失を被った参加者は15人にものぼる。取引開始時の期待感から参入したものの、価格変動に耐えきれず資金を回収できなかった投資家は少なくない。
公式声明発表後も、市場参加者の間では流動性操作への疑惑の目が依然として向けられている。バブルマップスが提供するコミュニティ調査プラットフォームIntel Desk(インテル・デスク)上では、引き続きコミュニティによって疑惑に関する調査が進められている状況だという。
著名人の関与が注目される暗号資産であるだけに、今回の疑惑とその否定は市場に影響を与えている。NYCの掲げる社会課題の解決というビジョンの達成には今後、投資家の信頼回復に向けた動きが必須になりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.6円)




