NFT「死んでいない」富裕層コレクター支える──月間3億ドル市場、アニモカ共同創業者

水澤 誉往
13 Min Read
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
Highlights
  • NFT月間取引高は約3億ドル、2021年ピークの10億ドルから70%減少
  • Animoca Brands共同創業者ヤット・シウ氏「富裕層コレクターが市場を牽引」
  • 欧州最大級NFT Paris 2026が史上初の中止、4年の歴史に幕

NFT(非代替性トークン)市場は2021年のピークから大幅に縮小したものの、富裕層コレクターによる継続的な購入が市場を支えている。Web3開発・ベンチャーキャピタル企業アニモカ・ブランズの共同創業者ヤット・シウ氏が1月19日、スイスで開催された暗号資産(仮想通貨)カンファレンス「CfC St. Moritz」で語った。

シウ氏はCoinDeskのインタビューで「NFTは富裕層コレクターの間で人気を保っている。もちろんだ。私自身も熱心なコレクターであり、この分野の仲間たちと同じ見解を共有している。これはコミュニティだ」と述べた。

月間取引高は3億ドルを維持

NFT市場は2021年から2022年にかけて急成長し、月間取引高が10億ドル(約1,580億円)を超える時期もあった。しかし現在の月間取引高は約3億ドル(約474億円)で推移しており、ピーク時から約70%減少している。

それでもシウ氏は「5年前はゼロドルの市場だった。すべては相対的であり、どの視点を取るかによる。もちろん、美しいことに、すべてのデータがブロックチェーン上で確認できる」と強調した。

同氏自身のNFTポートフォリオも「80%程度下落している」と認めるが、これらは短期転売目的の購入ではなく、長期保有を前提とした資産だと説明する。「これらは重要な長期資産だ」とシウ氏は語った。

億万長者が公然と購入

富裕層によるNFT購入の具体例として、シウ氏は米国の億万長者アダム・ワイツマン氏を挙げた。ワイツマン氏は、Yuga Labsが開発する3Dメタバースプラットフォーム「Otherside」の土地権利を示すNFT「Otherdeed」や、人気コレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」を公然と購入している。

2025年8月には5,000枚超のOtherdeed NFTを取得し、11月には229枚のMeebits NFTを1回の店頭取引で購入するなど、2025年最大級の個人NFT取引を複数実行した。

シウ氏は「ピカソのコレクターが他のピカソコレクターに親近感を持つのと同じだ。フェラーリやランボルギーニ、ロレックスの時計も同様。これはそのデジタル版に過ぎない」と、富裕層によるNFT収集を伝統的なアート・高級品収集になぞらえた。

NFT Paris史上初の中止

一方で、市場の低迷を象徴する出来事も起きている。欧州最大級のNFTイベント「NFT Paris」と「RWA Paris」の2026年版が1月5日、公式に中止された。2022年の初開催以来4年間続いてきた同イベントだが、主催者は「市場崩壊の影響を直視せざるを得ない」と声明で述べた。

当初2026年2月5日から6日にパリのラ・グランド・アル・ド・ラ・ヴィレットで開催予定だった両イベントは、数万人の参加者と数百人のスピーカーを集める主要イベントだった。主催者は「コスト削減やコミュニティ支援を試みたが、今年は実現できなかった」とし、購入済みチケットは15日以内に全額返金すると発表した。

シウ氏はNFT Paris中止について「NFTやカンファレンス自体の否定ではなく、フランスの問題だ。フランスはかつて暗号資産に非常に友好的だったが、完全に方向転換した」と指摘する。ファンタジーサッカーゲーム「Sorare」がギャンブル規制当局の監視下に置かれた事例を挙げ、「欧州全体で反暗号資産の姿勢が見られる」と述べた。

NFT市場は投機的な熱狂から冷静な収集文化への移行期にある。シウ氏の発言は、短期的な価格変動に左右されない真のコレクターが市場の基盤を形成しつつあることを示唆している。

月間3億ドルの取引高は2021年のピークと比較すれば大幅減だが、ゼロから立ち上がった市場としては依然として大規模だ。富裕層コレクターによる継続的な支持が、NFT市場の新たな成熟段階を支えている。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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