高速処理レイヤー1ブロックチェーン「モナド」、テストネット公開

中井 純
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約405億円調達のブロックチェーン、秒速1万件の処理能力を発表

暗号資産(仮想通貨)メディア「The Block(ザ・ブロック)」は18日、イーサリアム互換で秒間1万件のトランザクション処理を実現する高速レイヤー1ブロックチェーン「Monad(モナド)」がテストネットの段階的公開を開始したと報じた。

モナドは、革新的なパイプラインアーキテクチャを採用し、ブロックチェーンの処理能力を飛躍的に向上させることに成功した。

モナドの主な特徴は以下の通りだ。

  • 高速なトランザクション処理:秒間1万件の処理速度を実現し、イーサリアムをはるかに凌駕する。
  • イーサリアムとの互換性:EVMバイトコードと完全互換で、イーサリアムベースの開発者は既存のdAppsを容易に移植可能。
  • 低いハードウェア要件:ノードとして参加するために必要なハードウェア要件はイーサリアムの半分。

元「Jump Trading(ジャンプ・トレーディング)」の開発者たちによって設立されたモナドは、3月に開発者向けネットワーク「devnet(デブネット)」をローンチし、内部テストで秒間1万件のトランザクション処理を達成した。Monad Labs(モナド・ラボ)のCEO兼共同創業者であるKeone Hon(キーオン・ホン)氏は、「これはチームにとって重要なマイルストーンだ」と語った。

モナドの公式Xアカウントは16日、テストネットのローンチが近いことを示唆していた。その後、段階的なローンチが開始された模様だ。

みんなが「gmonad」(Go Monad)と言うたびに、テストネットの公開が1分早まる。

モナドは、既存のイーサリアムコードベースを単に模倣したものではなく、新たに設計されたEVMを一から構築している点が特徴だ。ネットワークのトークンは、ブロックへの取引包含費用(キャリッジコスト)および取引実行手数料の支払いに使用される。

モナドの開発進捗や今後のエアドロップの可能性には、多くの投資家が注目している。同社は4月に、Paradigm(パラダイム)主導で2億2,500万ドル(約346億円)を調達済みだ。また、2022年および2023年に実施した資金調達の累計額は、2億6,300万ドル(約405億円)に達している。

モナドのテストネット公開は、仮想通貨業界に大きな影響を与える可能性がある。

  • イーサリアムの競合:高速なトランザクション処理速度とイーサリアムとの互換性により、モナドはイーサリアムの強力な競合となる可能性がある。
  • dApps開発の促進:EVMとの互換性により、モナドはイーサリアムの開発者を引きつけ、dApps開発を加速させる可能性がある。
  • ブロックチェーンゲームの進化:高速処理により、ブロックチェーンゲームの開発に新たな可能性をもたらす。

モナドの今後の動向は、仮想通貨業界の技術基盤やエコシステムの進化に直接的な影響を及ぼす可能性がある。特に、その高速処理能力やイーサリアム互換性が新たなユースケースを生み出すか、引き続き注目が必要だ。

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情報ソースザ・ブロック / Monad公式X

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中井 純、工学博士 AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。
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