日本経済新聞が1日報じたところによると、政府・与党は暗号資産(仮想通貨)で得た利益に対し、一律20%の税率を適用する方向で調整に入った。株式など金融商品と同じ分離課税方式に移行し、国内市場の活性化を促す考えだ。
現行55%から20%へ大幅軽減
新方式では国が15%、地方が5%の計20%となる。年末にまとめる2026年度税制改正大綱への盛り込みを目指す。現行制度では給与などと合算する総合課税で、最高税率55%が投資家の売却判断を鈍らせているとの指摘があった。
国内の稼働口座数は約800万、9月の現物取引高は約1.5兆円に達しており、投資商品として定着しつつある。税率引き下げで取引が活発化すれば、税収増加やブロックチェーン産業の成長につながると期待される。
金融庁は2026年通常国会に金商法改正案を提出する方針だ。インサイダー取引の禁止や発行者の情報開示義務などを導入し、投資家保護の枠組みを構築する。分離課税への移行は、こうした環境整備が前提となる。
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2024年にはDMMビットコインから482億円相当のビットコインが流出する事件が発生しており、交換業者のセキュリティー強化が課題だ。
一連の制度改正により、暗号資産を組み入れた投資信託の国内解禁も検討されている。野村アセットマネジメントや大和アセットマネジメントなど国内大手運用会社6社が、解禁を見据えて商品開発に着手している。
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海外では米ブラックロックのビットコインETFが約700億ドル(約10兆8,900億円)の資産残高を持つ。国内でも証券口座からの購入が可能になれば、利便性向上が見込まれる。




