Upexiの株価、発表後に最大900%上昇
暗号資産(仮想通貨)の流動性プロバイダーである「GSR Markets(GSR)」は21日、ナスダック上場の米国企業「Upexi(ウペクシー)」に対し、1億ドル(約140億円)の私募増資を主導したと発表した。今回の出資は、ウペクシーのソラナ(SOL)を基盤とした財務戦略への方針転換を受けたものとなっている。
ウペクシーによるソラナ活用の財務戦略では主に、ソラナの蓄積とステーキングによる利回り獲得を計画している。デジタルゴールドと称されるビットコインを蓄積する企業は多いが、ウペクシーは将来的な成長性と収益効率に重きを置いた新たなアプローチで企業価値の向上と株主への利回り創出を目指している。
GSR会長のヤコブ・パルムスティエルナ氏は「ソラナを中心とした大胆な戦略を支援するために、この投資を主導できることを誇りに思う」とコメント。加えて、今回の出資が「デジタル資産の可能性を最大限に引き出す」という、GSRが掲げるビジョンのほんの一部にすぎない点を強調した。
また、この出資発表にはソラナ財団会長のリリー・リュー氏も反応を示している。リュー氏は「GSRとウペクシーの発表は、現実世界の金融アプリケーションでソラナを活用することへの関心の高まりを示す」とコメント。さらに、伝統的な金融と分散型金融(DeFi)の垣根が徐々に曖昧になり、相互に影響を与え始めていると述べた。
今回の出資発表を受け、ウペクシーの株価は大きな反応を見せた。約2.2ドルで推移していた価格は一時22ドルまで急騰。約900%もの値上がりを記録した。しかし、その後は利益確定の売りが優勢となり、執筆時点では9.92ドルまで価格を戻している。

GSRは今後も、デジタル資産エコシステムへの積極的な投資を継続する方針を掲げている。さまざまなステージの企業やプロジェクト等に対し、資金提供や流動性供給、戦略的アドバイスを行っていく構えだ。今後もGSRによる仮想通貨業界のバックアップはもちろん、仮想通貨を財務戦略として採用する企業の成長にも期待したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=140.87円)