FTX、KYC未完了で39万件の債権請求を却下 総額25億ドルが無効に

JinaCoin編集部
9 Min Read

KYC対応の有無が命運分ける、仮想通貨取引所破綻後の債権回収

2022年11月に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所「FTX(エフティーエックス)」が、顧客による本人確認(KYC)の不履行を理由に、392,000件の債権請求を却下したことがわかった。これにより、総額25億ドル(約3,638億円)超に相当する債権請求権が無効化された可能性がある。

2日に破産裁判所に提出された資料によると、この決定はKYC未完了の顧客に対して設けられていた2025年3月3日の期限を過ぎたことに基づくものだ。FTXは、期限までにKYC手続きを開始しなかったユーザーの債権請求を「全面的に不承認とし、抹消した」としている。

FTXは今回削除された債権請求額の総額を明らかにしていないが、FTX債権者の一人であるスニル氏は、5万ドル未満の請求が約6億5,500万ドル(約953億円)、それ以上の高額請求が19億ドル(約2,765億円)にのぼり、合計で25億ドル(約3,638億円)を超えると推定している。

出典:X

Bloomberg Lawによると、FTXの破産財団はサム・バンクマン=フリード元CEOの下で「顧客に対する基本的なデューデリジェンスを怠っていた」とし、適切な資金出所の確認も行われていなかったと指摘している。現在、同財団は破産処理の専門家ジョン・J・レイ三世が指揮を執っており、KYCを完了した顧客に対しては、破産申立て時点での暗号資産(仮想通貨)評価額に基づく全額現金返済を行うとしている。

FTXは昨年、米連邦破産法第11章に基づく清算計画の承認を受けており、破産時点でFTX取引所に保管されていた顧客資産について、総額約126億ドル(約1.8兆円)から165億ドル(約2.4兆円)の現金で弁済する予定ある。分配対象となる顧客債権の最低額は10ドル(約1,453円)とされている。

FTXは2025年2月19日より順次弁済を開始しており、KYC完了済みで尚且つ5万ドル未満の債権者への弁済は、仮想通貨カストディ企業「BitGo(ビットゴー)」および米国の仮想通貨取引所「Kraken(クラーケン)」を通じて弁済中である。

今回の債権抹消は、破産手続きにおいてKYCの重要性がいかに大きいかを改めて示した事例である。金融犯罪防止の観点からも、仮想通貨業界が今後さらに厳格な規制順守を求められるのは必至であり、顧客自身も資産保全のために適切な手続きを怠らない姿勢が求められる。

関連:FTXの巨額詐欺事件:創業者の元恋人に懲役2年の実刑判決
関連:FTX、ついに2月18日より返済開始|5万ドル未満の債権者が対象

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.53円)

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

Share This Article
JinaCoin編集部です。JinaCoinは、株式会社jaybeが運営する仮想通貨情報専門メディアです。 正確性・信頼性・独立性を担保するため編集ガイドラインに沿って、コンテンツ制作を行なっています。 一般社団法人 ブロックチェーン推進協会所属
Leave a Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA