元FBI捜査官、仮想通貨約4億円の窃取を認める──当初の説明の2倍超

元FBI捜査官、仮想通貨約4億円の窃取を認める──当初の説明の2倍超
水澤 誉往
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Highlights
  • 米司法省が5日に発表。元FBI捜査官が、捜査で集めた暗号資産の認証情報を悪用した窃取で、通信詐欺とマネーロンダリングの罪を認めた
  • 35件の捜査に関わる認証情報で約100回送金し、不正収益は約247万ドル(約3億9,063万円)。FBIが作戦用に作ったウォレットも対象
  • 7月に自ら打ち明けた際は、送金は10回程度で額は100万ドル前後と説明。ChatGPTにEUでの移住先を相談し、ポルトガルの弁護士に委任状

米司法省のバージニア州東部地区連邦検事局は5日(米国時間)、元米連邦捜査局(FBI)捜査官のパトリック・スティーブン・ヤロック被告(37)が、通信詐欺とマネーロンダリングの罪を認めたと発表した。FBIが捜査で集めた暗号資産(仮想通貨)の認証情報を使った不正送金は約100回、得た額は約247万ドル(約3億9,063万円)にのぼる。

元FBI捜査官、防諜部門で認証情報にアクセス

同局によると、ヤロック被告は2017年〜2025年初め、FBIボストン支局で敵対国家を対象とする捜査班に所属。2025年2月〜2026年7月31日は防諜・スパイ対策の部門で、捜査で集めた暗号資産の認証情報が入ったFBIのシステムにアクセスできる立場にあった。

窃取の始まりは遅くとも2024年12月で、ボストン支局にいた時期にあたる。盗んだ先は、ほかの捜査の対象者や敵対国家側が管理するウォレットと、FBIが作戦用に作ったウォレット少なくとも1つ。使われた認証情報は35件の捜査に及ぶ。

盗んだ暗号資産は別の暗号資産に換えたうえで、さらに取引を重ねて出どころを分かりにくくしていた。2025年11月25日〜2026年1月13日には約9万3,082ドル(約1,469万円)を自分の口座に移し、ほかの口座を経てクレジットカードや自動車ローンなどの支払いに回している。

合意した事実の陳述書によると、同被告の行為は犯罪組織と敵対国家に関する複数の捜査を損ない、FBIの情報源と捜査手法も危険にさらしたという。

自ら打ち明け、当初は100万ドル前後と説明

8月1日に裁判所へ提出された宣誓供述書によると、同被告は7月28日、以前一緒に働いた司法省の職員に連絡し、翌29日に面会して窃取を打ち明けた。FBIは29日に同被告を休職とし、31日付で解雇。同日午後には自宅で逮捕している。

供述書に記された職員の説明によれば、同被告が伝えたのは、送金は10〜12回、額は100万ドル(約1億5,787万円)未満という内容だ。29日にはFBI本部にも申し出ており、送金は約10回、ウォレットの価値は約100万ドルと説明。

FBIは同被告の管理するウォレットなどから、約92万5,426ドル(約1億4,610万円)相当の暗号資産を米政府が管理するウォレットに移した。これに対し今回の発表は、送金を約100回、不正収益を約247万ドルとしている。

時点内容送金の回数額
7月29日司法省の職員への説明10〜12回100万ドル未満
7月29日FBI本部への説明約10回約100万ドル(ウォレットの価値)
7月31日FBIが政府のウォレットへ移した額—約92万5,426ドル
11月5日司法省の発表(不正収益)約100回約247万ドル
元FBI捜査官の窃取をめぐる説明と額(時点別。FBIが移した額には本人の資金も含む。円換算は本文を参照) 出典:宣誓供述書(8月1日提出)、米司法省の発表(11月5日)

ChatGPTに移住先を相談、判決は2027年3月

同局によると、同被告は不正収益を借金の返済のほか、海外での新しい生活の資金にも充てる考えだったという。対話型AIのChatGPTには、投資の利益を最大にする方法と、欧州連合(EU)のどこに住むかを尋ねている。

ChatGPTがポルトガルでのブドウ園の購入を提案したのを受け、6月15日に現地の弁護士へ委任状を渡し、ポルトガルの税関・税務当局での代理や納税者番号の取得を任せた。

9月にはポルトガルへの渡航も手配済みだった。

米連邦の捜査官が捜査中に暗号資産を盗んだ事件は過去にもある。2015年には、闇サイトのシルクロードの捜査班にいた元シークレットサービス捜査官が、約2万ビットコイン(BTC)BTCBTC(当時約35万ドル)を自分のウォレットに移したと認め、マネーロンダリングなどの罪で禁錮71カ月の判決を受けた。

ヤロック被告の判決の言い渡しは2027年3月4日の予定だ。法定刑の上限は禁錮20年で、量刑は連邦地裁の判事が量刑ガイドラインなどを考慮して決める。

関連:シルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏、釈放 釈放後の姿を見せる

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.87円)

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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