仏金融大手BNPパリバは2日、欧州の主要9銀行によるコンソーシアムに参画すると発表した。また、同コンソーシアムがユーロ連動型ステーブルコインの発行主体となる新会社「Qivalis」を設立した上で、2026年後半のサービス開始を目指すことも発表された。
米ドル一強の市場に「欧州の自律性」を掲げ対抗
発表によると、BNPパリバは既存のコンソーシアムに10行目のメンバーとして加わった。これにより、Qivalisを構成する銀行は以下の10行となる。
- Banca Sella(バンカ・セラ/イタリア)
- CaixaBank(カイシャバンク/スペイン)
- Danske Bank(ダンスケ銀行/デンマーク)
- DekaBank(デカバンク/ドイツ)
- ING(オランダ)
- KBC(ベルギー)
- Raiffeisen Bank International(ライファイゼン・バンク・インターナショナル/オーストリア)
- SEB(スウェーデン)
- UniCredit(ウニクレディト/イタリア)
- BNP Paribas(BNPパリバ/フランス)
新会社Qivalisはオランダ・アムステルダムに設立され、すでにオランダ中央銀行に対して電子マネー機関(EMI)のライセンス申請を提出済みだという。同社は、欧州の包括的な暗号資産規制である「MiCAR」に準拠したユーロ連動型ステーブルコインの発行を目的としている。
この取り組みの背景には、現在のステーブルコイン市場が米ドル連動型に支配されている現状がある。BNPパリバは声明で、「このイニシアチブは、米ドルに裏打ちされたステーブルコイン市場に対する欧州の代替手段を提供し、決済における欧州の戦略的自律性に貢献する」と、その意義を強調した。
BNPパリバは、法人顧客とともに具体的なユースケースの特定とテストを進め、規制に準拠した安全で信頼性の高いオンチェーン決済エコシステムの構築を支援していく方針だ。
サービス開始は、ライセンス取得などを経て2026年後半を予定。圧倒的なシェアを誇る米ドル連動型ステーブルコインの対抗馬となるか、今後の動向が注目される。
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