イーサリアム財団、L2統合レイヤー「EIL」提案──複数チェーンを単一チェーンのように利用可能

水澤 誉往
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
Highlights
  • イーサリアム財団のアカウント抽象化チームが「Ethereum Interop Layer(EIL)」を提案
  • 複数のレイヤー2を単一チェーンのように扱え、ブリッジ操作不要で資産移動が可能
  • ウォレットから直接操作でき、新たな信頼前提を追加せず分散性を維持

イーサリアム財団のアカウント抽象化チームは18日、複数のレイヤー2(L2)ネットワークを統合する新提案「Ethereum Interop Layer(EIL)」を発表した。EILは、ユーザーがイーサリアムのL2エコシステムを単一のチェーンとして利用できるようにする相互運用レイヤーで、ブリッジやリレイヤー(中継業者)への依存を排除する。

L2断片化の課題を解決

イーサリアムはロールアップ技術によりスケーリングを実現したが、複数のL2ネットワークが並立することで新たな課題が生じていた。ユーザーは資産がどのチェーンにあるかを把握し、チェーン間移動にブリッジを使用する必要があり、追加の信頼前提や検閲リスクに晒されるケースがあった。

EILは、ユーザーが1回の署名でクロスチェーン取引を実行できる仕組みを提供する。ウォレットがバックグラウンドで資産の所在チェーンを特定し、適切な処理経路を自動的に決定するため、ユーザーは「送金」「ミント」「スワップ」といった操作を意識するだけで、チェーンの詳細を気にする必要がなくなる。

EILは、ユーザーがウォレットから直接操作できる仕組みである。ブリッジ業者やリレイヤーといった仲介者を必要とせず、取引内容が第三者に知られることもない。これにより、イーサリアムの分散性と検閲耐性を維持したまま、複数L2間のシームレスな体験を実現する。

新しいロールアップがエコシステムに参加した際も、ウォレットは自動的に対応可能だ。イーサリアム財団は、EILをウォレットチーム、dApp開発者、ネットワーク設計者に向けて提案しており、エコシステム全体での統合体験の実現を目指している。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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