それでもEUは仮想通貨に優しい地域
欧州中央銀行(ECB)総裁のラガルド氏の息子が、仮想通貨への投資して「ほとんどすべて」を失ったことが明らかになったと24日、ロイター通信が報じた。
ラガルドECB総裁、息子が暗号キャッシュを紛失したことを認める
ラガルド氏は、仮想通貨を投機的で無価値なものであり、犯罪者がしばしば違法行為に使用する道具であるとして、長らく批判し続けている。
ロイター通信によると、ラガルド氏はドイツで開かれた学生との意見交換会で、次のように述べた。
「息子は私の(警告を)徹底的に無視した。そして彼が投資した資金のほぼ全てを失った」
「だから、そのことについて彼ともう一度話し合ったとき、彼はしぶしぶ私が正しかったことを受け入れた。」
「人々が好きなところにお金を投資するのは自由であり、好きなだけ投機するのも自由です。」
ECBは、リスクを知らない消費者を保護するためと、テロリストへの資金提供や犯罪者のマネーロンダリングに利用される可能性を防ぐために、仮想通貨に対する世界的な規制を求めている。
欧州圏の金融政策を司るECBが仮想通貨に批判的とはいえ、世界的に見れば欧州地域は依然として仮想通貨に友好的だ。最も特徴的なのは今年6月、欧州連合(EU)が可決した仮想通貨の包括的な規制である「MiCA(Markets in Crypto-Assets)」だ。曖昧な規制で仮想通貨関連企業を苦しめている米国とは対照的に、仮想通貨関連企業が運営しやすい土壌作りを進めている。
実際、MiCA承認以降、欧州各国では企業による仮想通貨関連事業が多く始動し始めた。フランスでは、バイナンスやCircle、Crypto.comなど大手仮想通貨企業が欧州本部を置いた。イタリアでは、イタリア銀行が polygon と Fireblocks を利用して、金融機関が DeFi と トークン化された資産を扱えるようにした。
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機関投資家のお金の流れを見てもわかる。欧州のデジタル資産運用会社コインシェアーズが今週発表した資料によると、年初来約3億2700万米ドル(約450億円)の資金が流入している。EU非加盟国であるがスイスを含めれば、約6億6700万ドル(約1000億円)の資金が流入。
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