- DefiLlamaは複数チェーンの様々なDeFiを分析できるTVLアグリゲーター
- エアドロップの可能性があるプロジェクトもランキングで分析できる
- DeFiLlamaはDEXアグリゲーターとして最適価格でスワップ可能
目次
DeFiLlama(ディーファイラマ)はTVL RankingによるDeFi分析ツール
DefiLlama(ディーファイラマ)は複数のチェーンやDeFiのTVLをランキングで分析できる人気のDeFiアグリゲーターです。プロトコル/プラットフォームのコントラクトにロックされているトークンの総量をTVLとして、コミュニティ主導の統計を作成しすべてのプロジェクトを平等に扱うことを目指しています。
複数のブロックチェーンに対応しておりプロトコル別、チェーン別、ジャンル別などに分けて表示ができます。
TVLとはTotal Value Locked(トータル・バリュー・ロックド)のことでDeFiプロジェクトに預けられた資産の総量のことです。TVLを知ることで、そのDeFiプロジェクトがDeFi全体においてどれくらい人気なのかを測る重要な指標となります。
DeFiLlama 基本情報
DeFiLlamaの使い方
では早速DefiLlamaを使用してみましょう。まずDefiLlama公式サイト( https://defillama.com/ )にアクセスします。
DeFi(ディーファイ)
最初にDeFi OverviewとしてすべてのプロトコルにおけるTVL総量と推移を示すグラフ、TVLランキングが表示されています。2023年3月時点の総TVLはピーク時の半分以下です。TVLランキングのトップはLidoで、ドミナンスの20%ほどを占めています。プロジェクト名をクリックすると詳細が表示されます。
ドミナンス(Dominance)とはシェア・占有率を意味し、その通貨が仮想通貨の市場全体でどれだけのシェアを有しているかを表す指標です。
Lidoの詳細を確認するとTVLの総量と推移がグラフで確認できます。USTデペグやcurveプールでのインセンティブ開始、FTX崩壊などがプロジェクトにどのような影響を与えたかが可視化できていてわかりやすいですね。
画面を下にスクロールするとプロジェクト公式へのリンクやトークンの詳細情報、Treasuryをはじめとした分析も表示されます。
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試しにAAVEについても詳細を確認してみましたが、グラフに表示されるイベントはプロジェクトごとに異なります。詳細な分析ができて便利です。
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Chains(チェーン)
チェーンではブロックチェーン別のTVLを確認できます。
2023年3月時点ではイーサリアムが圧倒的で50%以上を占めています。2位以下はTron、BSC、Aribitrum、Polygon、Optimism、Avalancheの順にランキングされており、各チェーンにおけるプロトコル数やアクティブユーザーも確認できます。時価総額のランキングとは違う視点から分析できるのはありがたいですね。
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チェーン名をクリックすると詳細が表示されます。エアドロップで話題になったArbitrumを確認してみると、さらにチェーン内のDeFiにおけるTVLランキングが確認できます。Arbitrumの場合、2023年3月時点ではGMXが20%以上のドミナンスを占めています。
主流であるEVM以外でもNon-EVM、Rollup、Cosmos、Parachainなどのチェーン別TVLも確認できます。Cosmosを確認してみると2023年5月までは圧倒的なTVLを誇っていたTerraの崩壊がいかに大きな影響を与えたかがよくわかりますね。
Airdrops(エアドロップ)
エアドロップでは独自トークン未発行のプロジェクトがランキングで確認できます。エアドロップはプロジェクトの貢献度に応じて配布されることが多いので、ランキングを確認して気になるプロジェクトがあれば参考にしましょう。
エアドロップが確約されたプロジェクトがリストされているわけではないので、ご注意ください。
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その他DeFiランキング
上記以外にも様々な視点から分析が可能です。簡単に紹介します。
Treasuries(トレジャリー) | 開発などに使用できる資金の保有ランキング |
Oracles(オラクルス) | オラクルのランキング |
Forks(フォークス) | フォークされた数を含めたTVLランキング |
Top Protocols(トップ・プロトコル) | プロトコルのランキング |
Comparison(比較) | プロトコルのグラフによる比較 |
Token Usage(トークンの使用法) | プロトコルにおけるETH使用ランキング |
Categories(カテゴリー) | DEXやリキッドステーキングなどカテゴリー別ランキング |
Recent(リセント) | 最近DefiLlamaにリストされたプロトコルのランキング |
Languages(言語) | スマートコントラクトの言語グラフ |
Yields(イールド)
YieldsではイールドファーミングにおけるTVLの分析ができます。いくつかピックアップして紹介します。
Pools(プールズ)
DeFiプロジェクトにプールされた仮想通貨のTVLのランキングです。プール名と採用チェーン、APY(リワードなど)が表示されます。
Leveraged Lending(レバレッジレンディング)
レバレッジをかけたレンディングのランキングです。 APY 値が機能するための条件が記載されていますので、レンディングする場合はよく確認してから行ってください。
レバレッジド・レンディングのAPY値の仕組み
- 担保金額NをプールXに預ける
- 担保を利用して、同じプールXから最大LTVで借り入れる。
- 借入額MをプールXに預ける。
レバレッジド・レンディングの例
以下のプールに1,000ドルを預けたとする:
- 供給APY: 預金APY3% + リワードAPY6% = 9
- 借入APY:-5% 借入APY+報酬APY8%=3%。
- LTV:75
ステップ1:1000ドル入金
ステップ2:750ドルを借りる
ステップ3:750ドルを入金する
総入金額:1750ドル→元の1,000ドルの1.75倍
借りた総額: $750
ループAPY:9% * 1.75 + 3% * 0.75 = 18% → サプライAPYと比較して2倍増。
この手順をn回繰り返すことで、レバレッジをかけ続けることができます。
Stablecoin Pools(ステーブルコイン・プール)
ステーブルコイン・プールのランキングです。TVL以外にもリワードのAPYや30日間のAPYも確認できます。
DeFiLlama Swap(スワップ)
DeFiLlamaはDEXアグリゲーターとしてスワップ機能もあります。1inch、CowSwap、Matchaでの価格を参照し最高の条件でスワップできます。手数料は無料です。
STEP
取引所に口座開設
スワップをするためには仮想通貨が必要です。まずは取引所に口座を開設し、仮想通貨を購入しましょう。
おすすめ仮想通貨取引所
STEP
ウォレットを接続
準備ができたら右上のConnect Walletからメタマスクを接続してください。
STEP
スワップ
接続しましたらYou sellに売却したい通貨と数量、You buyに購入したい通貨を入力するとBESTを含めたレートが表示されます。お好きなレートを選択してSwapボタンを押せば完了です。
Borrow Aggregator(ボロウアグリゲーター )
Borrow Aggregatorでは担保にするトークンと借りるトークンを設定すると、インセンティブ、供給APR、借入APRを考慮して、それぞれいくらで借りられるか計算し、可能なすべての融資ルート、そのコストとLTVのリストを提供します。
CEX Transparency(CEXの透明性)
CEX TransparencyではBinanceをはじめとしたCEX(中央集権取引所)のアセット量や流入量を調べることができます。FTXにように怪しいウワサが流れた時には気をつけて確認したいですね。
Liquidation(清算)
LiquidationではDeFiにおけるトークンの清算レベルをプロトコル/チェーンごとに確認できます。
Volumes(ボリューム)
VolumesではDEX別/チェーン別/オプション取引の出来高を確認できます。
Fees/Revenue(使用料/収入)
Fees/Revenueでは使用料・収入別ランキングを確認できます。
Raises(資金調達)
Raisesではプロジェクトの資金調達に関する情報を確認できます。プロジェクト名/日付/調達額/ラウンド/主な投資家などを確認できます。
またa16zをはじめ主要な投資家が投資したプロジェクト別でソートして確認することもできます。
Stables(ステーブルコイン)
Stablesではステーブルコインのドミナンスやランキングやチェーン別の時価総額を確認できます。
Hacked(ハッキング)
Hackedではハッキングされた総額やDeFiの被害日・被害額が確認できます。有名なもの以外でもひんぱんにハッキングやラグプルがありますね。気をつけましょう。
悪意をもったユーザーが新しいトークンの流動性を作成し、価格をつり上げて多くのユーザーにプールさせ、その後プールから流動性を引き抜いて持ち逃げすることをラグに乗っているもの(仮想通貨)をまるごと取られてしまう様子に似ているためラグプル(Rug Pull)といいます。
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ETH Liquid Staking(イーサリキッドステーキング)
ETH Liquid StakingではリキッドステーキングされたETHのTVLランキングが確認できます。
DeFiLlamaの便利な機能
Watchlist(ウォッチリスト)
ウォッチリストでは自分がセーブしたプロジェクトのみのTVLを確認することができます。膨大なデータから自分好みのプロジェクトのみ確認できるので便利ですね。
DL News(ニュース)
DLニュースはDeFiLlamaが独自の視点で提供するニュースがまとめてあります。ニュース以外にも現在のTVLや価格など最新情報が表示されています。
RoundUp(ラウンドアップ)
ラウンドアップではデイリーニュースへのリンクがまとめてあります。忙しい時でも仮想通貨に関連するニュースだけピックアップできるのはありがたいですね。
DeFiLlamaに関するよくある質問(Q&A)
DeFiLlamaの独自トークンは発行されますか?またエアドロップはありますか?
DeFiLlamaはもともとトークン発行のウワサはあり、1月にDEXアグリゲーターをローンチした際は「DeFiLlamaの貢献者とユーザーにはうれしいサプライズがあるかもしれない」とトークンエアドロップを含めた将来的なインセンティブ付与をほのめかしていました。
DefiLlamaチームのコアメンバーである0xngmi氏はこの方針について強い不満を抱き2023年3月19日、新プラットフォーム「Lhama.Fi」の開始を宣言し内部分裂が起こりましたが、3月21日全ての問題が解決しフォークやトークンの発行は一旦白紙になったとツイートしました。今後トークンの発行についてはコミュニティによって議論され、投票されるとのことです。
これもう見た? DeFi総合サイト「DefiLlama」が内部分裂、新たにLhama.Fiを開始
DeFiLlamaのウォレットや拡張機能はありますか?
DeFiLlamaスワップを使用すると税金がかかりますか?
DeFiLlamaSwapだけでなく仮想通貨同士の取引で20万円以上の利益が出た場合「雑所得」に区分され、年度末に「確定申告」が必要となります。仮想通貨のトレードによる利益には総合課税が適用され、総合課税は累進課税のため、利益が大きくなれば納める税金の税率もあがります。取引履歴は必ず残しておきましょう。
これもう見た?仮想通貨の税金に関する全知識まとめ
まとめ
今回はTVLアグリゲーターのDeFiLlamaについて解説いたしました。
簡単にまとめると‥
- DefiLlamaはTVLから複数チェーンの様々なDeFiを分析できるツール
- トークン未発行のプロジェクトランキングで次のエアドロップをリサーチ
- 資金調達状況やハッキング被害などの情報も確認できる
- DEXアグリゲーター機能をつかって最適価格でスワップ可能
- DeFiLlama独自トークンは一旦白紙だが可能性はあり
TVLによるランキングやドミナンスは時価総額以外での指標としてとても重要ですね。エアドロップに関する情報を集められるだけでなく、DeFiLlama自体もエアドロップがあるかもしれないので積極的に使いたいです。
参考文献
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