仮想通貨詐欺を狙った手口はメディアにまで
大手暗号資産(仮想通貨)メディア「Cointelegraph(コインテレグラフ)」は23日、同メディア上で偽のエアドロップ情報が記された不正なポップアップが表示されていることを公式Xで共有。同メディアの利用者やSNS上のユーザーに向けて注意喚起を行った。
コインテレグラフによると、表示されていたポップアップには「Cointelegraph ICO Airdrops」や「CTG tokens」などといった虚偽の情報が記載されており、あたかも公式によってエアドロップが予定されているかのような内容だったという。
コインテレグラフはこれらの情報が事実無根であり、公式なキャンペーンではないことを強調。ユーザーに対してポップアップのクリックやウォレット接続、個人情報を入力する行為は一切行わないよう呼びかけた。事態の詳細は執筆時点で明らかにされていないが、同メディアのフロントエンドが何者かによってハッキングされた可能性があるとみられている。
実際に仮想通貨ウォレット「MetaMask(メタマスク)」の拡張機能を追加したブラウザを通じてコインテレグラフへアクセスしたところ、該当メディアが有害であるという警告が表示された。

しかし、時間を置いて再度同メディアへアクセスすると、メタマスクからの警告が消えており、問題のポップアップも表示されないことが確認できた。コインテレグラフ側でハッキングに対する措置が講じられた可能性が高い。
仮想通貨業界では近年、こうしたハッキングによる偽のエアドロップ情報の拡散が相次いでいる。5月1日には分散型取引所(DEX)「Hyperliquid」を展開する「Hyper Foundation(ハイパー財団)」の公式Xアカウントが乗っ取られ、虚偽のエアドロップ情報が広まった。さらに同月13日には、イーサリアムのレイヤー2ソリューション「ZKSync(ジーケーシンク)」とその開発元「Matter Labs(マター・ラボ)」の公式Xアカウントが同様の被害を受け、ZKトークンの偽エアドロップが宣伝されている。
仮想通貨関連メディアやプロジェクトの公式チャネルであっても、情報の真偽には細心の注意を払う必要がある。特にエアドロップやトークン配布を装った詐欺は、ユーザーの資産を直接狙う手口であるため、一度のクリックが大きな損失につながりかねない。仮想通貨を取り巻くリスクが高まる中、投資家には情報リテラシーと慎重な行動が求められている。
関連:パラグアイ大統領のXがハッキング被害──ビットコイン法定通貨化の虚偽投稿が拡散
関連:Hyperliquid、公式Xがハッキング被害──偽のエアドロ情報を拡散