デリバティブ取引所世界最大手のCMEグループは19日、5月30日(日本時間)より暗号資産(仮想通貨)先物・オプション取引を24時間365日体制で提供すると発表した。従来は週末が休場となっていたが、今回の変更により、投資家は市場の動きに対し常時アクセスが可能となる。
週末休場の弱点を克服、バイナンスなど既存取引所のシェアを脅かす展開に
新たな取引体制は、日本時間5月30日(土)7時から、同社の電子取引プラットフォーム「CME Globex」で開始される。運用にあたっては、週末に最低2時間のメンテナンス時間が設けられる予定だ。金曜夕方から日曜夕方までの取引は翌営業日付で処理され、清算や決済、報告も翌営業日に行われる。
CMEグループの株式・外国為替・オルタナティブ商品部門グローバル責任者ティム・マクコート氏は、暗号資産市場のリスク管理需要が過去最高水準に達する中、顧客がいつでも安心して取引やポジション管理を行える環境を提供することが重要だと説明した。
発表によると、CMEの2025年の暗号資産デリバティブ想定元本取引高は過去最高の3兆ドル(約465兆円)に達した。さらに2026年も記録更新が続き、年初来の1日平均取引高は前年同期比46%増の40万7200枚、平均建玉は同7%増の33万5400枚となっている。
「CMEギャップ(窓)」は過去のものへ:取引所間のシェア争い激化
データ分析サイトのコイングラスによると、CMEは2024年にビットコイン先物の未決済残高(建玉)でバイナンスを上回った。2025年にはビットコインデリバティブ市場での優位性を固め、イーサリアム市場でも建玉と出来高の両面でバイナンスに迫る規模まで急成長を遂げている。
これまでCMEは週末に取引できないという弱点があったが、今回の体制変更によって最大のデメリットを克服することになる。ほぼ休むことなく稼働を続けることで、バイナンスなど既存の暗号資産取引所が築いてきた牙城を崩し、市場シェアをさらに奪う動きとして注目される。
さらに、トレーダー間で「CMEギャップ(窓)」と呼ばれる現象の解消も期待される。これは週末の休場中に市場が大きく動き、金曜の終値と月曜の始値の間に生じる価格の空白地帯を指す。この窓を埋めるような値動きが意識されやすかったが、今回の24時間365日対応により過去のものとなりそうだ。
伝統的な金融機関であるCMEが「週末の壁」を突破したことは、市場の構造的な転換点となる。CMEギャップを利用した短期トレードの機会は減る一方で、機関投資家マネーのさらなる流入を促し、暗号資産専門の取引所との覇権争いがより一層激化するだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.0円)




