暗号資産(仮想通貨)運用企業ビットワイズは15日、HYPEを対象とする現物ETF(上場投資信託)「Bitwise Hyperliquid ETF」の修正版申請書を米証券取引委員会(SEC)へ提出した。これは同社が9月に提出したForm S-1に続く手続きで、上場に向けた最終段階に位置づけられる動きとなる。
流動性低下リスクにも対応、保有高の30%を準備金に
今回の修正版では、当初の草案では未定だった運用面の重要事項が具体化されている。中でも注目されるのが、ETFの運用戦略に「ステーキング」を組み込んだ点だ。HYPEの価格に連動した投資効果を得るだけでなく、ステーキングを通じてHYPEを獲得するという副次的な投資目的が明記されている。
しかし、ステーキングは資産の一部が拘束されるため、流動性の低下という課題も伴う。ビットワイズはこれに対応するため、HYPE保有高の30%を流動性準備金として確保し、投資家がETFを換金する際の円滑な対応を可能にする方針を示している。これは現物ETFとしての利便性と収益性の両立を意識した設計と言えるだろう。
その他、ファンドの基本情報も確定した。年間の運用手数料は0.67%に設定され、HYPEの保管を担うカストディアンはアンカレッジ・デジタル・バンクが務めることとなった。なお、上場先はNYSE Arca、ティッカーシンボルは「BHYP」となる予定であることも明記されている。
HYPEを巡っては、21Shares(21シェアーズ)も同様にHYPE現物ETFをSECに申請中だ。一方、VanEck(ヴァンエック)に至っては、ステーキング対応のHYPE現物ETFの申請計画が9月に報じられている。複数の大手運用会社が参入を狙う中、HYPE現物ETFの承認と上場を巡る競争は今後さらに激しさを増す見通しだ。
現物ETFの実現は、機関投資家参入の窓口拡大に繋がり、将来的なHYPEの価格形成に大きな影響を与え得る出来事になるだろう。今後はSECの判断が焦点となり、承認の行方が市場全体の注目を集めることになりそうだ。
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