機関投資家の支持を受け投資ソリューション拡充
暗号資産(仮想通貨)専門の資産運用会社「Bitwise(ビットワイズ)」は25日、新たに7,000万ドル(約104億円)の資金調達を完了したと発表した。本ラウンドは「Electric Capital(エレクトリック・キャピタル)」がリードし、「MassMutual(マスミューチュアル)」、「Highland Capital(ハイランド・キャピタル)」、「MIT Investment Management Company(MITインベストメント・マネジメント・カンパニー)」などが参加した。
2024年の急成長──顧客資産は120億ドルを突破
ビットワイズは2024年を通じて大きな成長を遂げ、顧客資産が10倍以上増加し、120億ドル(約1.7兆円)を超えた。これは、同社の中核事業であるベータ、アルファ、オンチェーンソリューション全体での成長によるものだ。
同社が提供する32種類の投資ソリューションには、利回りおよびアルファ戦略、マルチ戦略ソリューション、個別管理アカウント、オンチェーンステーキング、インデックスファンド、ビットコインETP(上場投資商品)などが含まれる。
強化される投資能力と拡大するチーム
今回の資金調達により、ビットワイズはバランスシートを強化し、投資能力および投資家向けソリューションの拡充をさらに進める。
現在、同社はサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンに拠点を構え、100名を超えるテクノロジーおよび投資の専門家を擁している。今年中にはスタッフを130名以上に増員し、投資ソリューション、リサーチ、顧客対応、教育サービスに対する投資家の需要に応える計画だ。
拡大するビットワイズの影響力
現在、ビットワイズの投資商品は米国およびヨーロッパの5,000を超える資産管理チーム、RIA(登録投資アドバイザー)、ファミリーオフィス、機関投資家に利用されている。また、15を超える銀行、証券会社、投資プラットフォームでも導入されている。
同社は顧客資本の運用にとどまらず、仮想通貨エコシステム全体の発展にも取り組んでおり、今後もその成長を支えていく方針だ。
ビットワイズのCEOであるハンター・ホースリー氏は、「プライベートエクイティ、プライベートクレジット、高利回り債券が確立した道をたどり、仮想通貨は機関投資家向けのユニークな代替資産クラスとして確固たる地位を築きつつある」とコメントした。
ビットワイズの資金調達は、機関投資家の関心の高まりを示している。仮想通貨市場の成長が続く中、同社の動向は市場拡大と制度化の鍵を握る。今後の成長と業界への影響に注目が集まるだろう。
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