スマホゲーム開発「東京通信グループ」、GameFi報酬用にビットコイン購入へ

木本 隆義
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既存タイトルの活用と新作開発で事業を拡大

スマートフォン向けカジュアルゲームの開発を主力事業とする「株式会社東京通信グループ」は30日、ビットコインを購入する方針を正式に発表した。

今回の発表は、2022年12月に決定された同社のGameFi領域への参入計画が、約2年半の準備期間を経て、いよいよ実行フェーズへ移行したことを意味する。これまで同社は、社内体制の整備やリソース配分の見直しに時間を費やしてきたが、満を持して新たな市場へ打って出る。

驚くべきことに、同社のGameFi内で プレイヤーへのインセンティブとして予定されているのが、他ならぬビットコインなのだ。今回の購入は、このサービス開発の初期段階で必要となるビットコインを確保するための布石となる。同社が30日に公開した資料によれば、購入は2025年7月から11月にかけて行われるという。

戦略は二段構えだ。まず、これまで蓄積してきた6,400を超える膨大な既存ゲーム資産の中から有望なコンテンツを選び出し、GameFi仕様へと巧みに改良する。それに加え、GameFiに完全に特化された完全新規タイトルの開発も並行して進めることで、新たなユーザー層の獲得と収益機会の創出をねらう。まさに、自社の強みを最大限に活かした「両利きの戦略」といえよう。

今回のビットコイン購入は、壮大な計画の第一歩に過ぎないようだ。同社の発表によれば、購入金額は非開示ながら「軽微」とされており、2025年12月期の連結業績に与える影響も限定的だという。なお、会計上、保有する暗号資産(仮想通貨)は四半期ごとに時価評価され、その評価損益は損益計算書に計上されることになる。このあたりは、上場企業としての透明性を確保する当然の帰結である。

カジュアルゲーム市場で確固たる地位を築き、ダウンロード数日本一を誇る同社が、GameFiという未踏の荒野でどのような「新しい経済圏」を創り出すのか。今回のビットコイン購入は、その挑戦の始まりを告げる静かな号砲だ。市場の動向や技術的な課題を慎重に見極めながら進められるという、同社の具体的な事業展開に注目したい。

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リージョナルスペシャリスト(SEA)。仮想通貨歴は10年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。『月刊くたばれMBA』編集長。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。来タイ13年。
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