ビットコインは3日も続伸、年初始値の9万3,500ドルを突破し一時9万4,000ドルまで上昇した。そんな中オンチェーン上では、複数の相場反転シグナルが確認されている。
トレンド転換を示すサインが点灯
オンチェーン分析プラットフォームのアルファエクストラクトは4日、公式Xにて「ビットコインの底値シグナルが確認された」と投稿。
アルファエクストラクトが着目したのは同社が提供している指標、Market Extremes Analysisだ。この指標は市場を構成するさまざまな要素から、相場反転ポイントを示唆する。12月初旬にはこの数値がマイナス17.5を割り込んだが、これは今年4月の調整局面で大底を付けた時とほぼ同レベルの水準だ。
過去2年間でこの水準に達したケースは今回を含め二度のみと、かなり珍しいケースであることから、直近の安値が大底になる展開も考えられる。
「2022年のような崩壊は起きにくい」レンジ形成を示唆
オンチェーン分析企業クリプトクオントの創業者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏は4日、自身のXにて「ビットコインが広範なレンジを形成する可能性が高い」との見解を投稿した。
ストラテジーが保有する65万BTCを今サイクルで維持し、ほとんど売らないのであれば「2022年のような−65%級の深いドローダウンは起こらない」と分析。
現在のビットコインは、史上最高値から約25%下落した位置にあるが、仮にここからベアサイクル入りしたとしても、2022年のように市場全体が崩壊する形にはならず、広い価格帯のレンジ相場にとどまる可能性が高いと指摘する。
キ氏は市場の流動性経路が増加していると指摘している。実際、現物ETF上場による機関投資家の参入、ビットコイン財務企業の増加、国家のビットコイン準備金、決済用途の拡大など、過去サイクルと比べ資金流入経路は多様化しており、ボラティリティも以前より安定している。
以上のような背景を踏まえ、キ氏は「長期保有者はパニック売りをするべきではない」とトレーダーに向けて呼びかけた。
市場の主軸がクジラから個人へ、過去の底値パターンと一致
クリプトクオントが提供するオンチェーンデータ、Spot Average Order Size(スポット平均注文サイズ)からは、市場の主軸がクジラから個人投資家へシフトしていることが確認できる。

現物平均注文サイズは点の色によってクジラの注文(グリーン)、個人投資家の注文(レッド)のどちらが優勢かを示す指標で、グレーの点は双方の勢いが拮抗していることを示している。11月中旬まではクジラ優勢を示すグリーンが目立っていたが、後半から現在にかけては一変し、レッド一色となっている。
この動きは一見ネガティブに映るが、今年2月から4月にかけて発生した調整局面でも底値間近でクジラが優勢となった後、個人投資家の買いが活発になりその直後に大底が形成された。今回も個人投資家が売り圧を吸収し、再びクジラが強気に転じれば、相場の大きな反転にも期待できそうだ。
ビットコインが年初始値である9万3,500ドルの明確なブレイクにトライする中、底値を示すデータや、ボラティリティの安定化を支える状況が整いつつある。しかし高値維持に失敗すれば、再びレンジ下限までの下値が見えてくる可能性についても考慮しておくべきだろう。
関連: リップルCEO、ビットコイン18万ドル予測──米規制明確化で「数年で最も楽観的」
関連: ビットコインに買い圧力、10月最高値前と同水準──9万3,500ドル突破が焦点




