ビットコインは年初始値である9万3,500ドル~9万4,000ドル付近の抵抗に阻まれ4日は反落。一方でオンチェーン活動からは底値形成を示唆するデータや、市場が強気を取り戻すための明確な水準が見えてきた。
ハッシュレート急落など3要因が底値形成を示唆
投資データ分析プラットフォームのアルフラクタルは5日、公式Xにて現在の相場環境が「ダウントレンドの最終段階、または横ばい局面、あるいは2021年に見たような底値形成段階にある」との見解を投稿した。
アルフラクタルはこの説を裏付ける3つの根拠を列挙している。
1つ目はハッシュレートの大幅な低下。ビットコインネットワークに参加するマイナーの計算能力が直近30日間で著しく低下している。ハッシュレートの低下は、一般的にマイニングの採算割れや電力コストの圧迫を示すとされる。マイナーが限界に追い込まれたことで、市場の圧力はピークに達しているという見立てだ。
2つ目は歴史的に極端な値動き。価格下落の速度と激しさが過去の水準と大きく乖離していると指摘。これはテクニカル的な動きではなく「市場の投げ売り局面」を示しているとのこと。
3つ目は供給の急増。数ヶ月から数年保有されていたコインが、ここ最近で一気に市場へ流出した。このような動きが発生するのは、市場センチメントが崩れたときに現れる動きとされる。
以上3つの要因が重なった結果、市場の「投げ売り度」を示すCapitulation Oscillatorが急上昇し、過去に相場が転換した複数の局面と同レベルの水準に到達。これがダウントレンドの最終段階、または横ばい局面を示唆しているとアルフラクタルは分析する。
これが直ちに底値を示しているとは言えないが、歴史的にも稀なケースであり「サイクルで1~2回しか見られない好機となることが多い」と締めくくった。
全供給の25%が含み損、9万5,800ドル回復が市場安定の条件
オンチェーン分析企業のグラスノードは5日、公式Xにて、「市場は依然として、マクロ要因のショックに対して非常に敏感なまま」だと指摘した。
11月中旬以降の下落により、ビットコインの価格は主要な分析基準となる0.75分位点を割り込んだ。つまり現在は全供給の25%以上が含み損を抱えており、高値掴みしてしまった買い手の投げ売りと、売り枯れによる底形成の間で不安定な均衡を保っている状況だ。
市場安定のためには、まず0.75分位点である9万5,800ドル付近への回復が必須。その後、強気転換の確度が高まるラインとして0.85分位点の 10万6,200ドルが重要な節目になると結論づけている。
ビットコインは年初始値の抵抗に上値を抑えられつつも、9万ドル以上の価格帯を維持しているが、未だ市場安定を示す水準に達していないため、引き続き警戒が必要な局面だ。とはいえ底値形成を示すオンチェーンデータも散見されるため、再び下値を試すタイミングが優位性の高い買い場となる可能性もある。
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