BingXの中長期AI戦略が本格フェーズに移行
暗号資産(仮想通貨)取引所「BingX(ビンエックス)」は27日、AIアシスタント「BingAI」を正式にローンチしたと発表した。この新機能は、膨大な金融データや同社が独自に構築したアルゴリズムモデルなどを活用し、ユーザーの取引やプラットフォームの利用全般を多角的に支援するAI機能として設計されている。
BingAIの主な機能には、リアルタイムでの価格情報取得や市場トレンドの分析、テクニカル指標に基づく仮想通貨銘柄の解説などが含まれる。ユーザーはBingAIに対して質問を行うことで、市場分析や戦略立案において実用的な回答を得られる。またBingAIは、初心者にもわかりやすい形式で、取引所の使い方やサービス内容について案内することも可能だ。
特にテクニカル分析の分野では、投資家が注目しやすいサポートラインやレジスタンスライン、心理的節目などの価格帯を具体的に提示し、分かりやすい形で仮想通貨銘柄の動向を解説してくれる。さらに、価格変動に影響を及ぼす要因として、機関投資家に関する最新ニュースの表示にも対応。投資判断に役立つ多角的な情報提供を可能にしている。

ビンエックスはBingAIのローンチを記念して、6月17日まで期間限定イベントを開催中だ。ユーザーはBingAIに質問し、その回答を受け取ることで「クリスタル」を獲得。このクリスタルを使用してガチャを引くことで、Apple製品や仮想通貨と交換可能なトークンクーポン、コピー取引保険金などの豪華特典を獲得できる。
近年、海外の仮想通貨取引所におけるAI機能導入は急速に進んでいる。直近では海外大手の「Bybit(バイビット)」が、ユーザーの取引活動を常時サポートするAIトレーディングコンシェルジュ「Bybit Lens(バイビットレンズ)」を発表して話題を呼んだ。こうした流れは、AIによる投資家支援が業界全体の新たな標準となりつつあることを示している。
なお、ビンエックスは5月20日、中長期戦略「BingX AI Evolution(ビンエックス・AIエボリューション)」を発表。今後3年間で3億ドル(約432.7億円)を注ぎ込み、プラットフォーム全体へのAI統合を推進していく方針を示しており、今回のBingAIのローンチもこの戦略の一環とされている。今後も同社によるAI活用を通じた取引環境の利便性と精度向上を目指した取り組みに注目が集まりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.24円)