自律型ソフトウェア「エージェントAI」で金融インフラと意思決定を革新
Coinbase(コインベース)、Google(グーグル)などのチームメンバーが参加する分散型自律組織(DAO)「Aiccelerate(アイセラレート)」が9日、公式発表された。
このDAOは、分散型オープンソースAI技術の開発を推進し、さまざまなエコシステムで高い可能性を持つプロジェクトを支援することを目的としている。
AIと暗号資産(仮想通貨)の組み合わせは以前から注目されてきた。アイセラレートはその中でも「エージェントAI」と呼ばれる自律型ソフトウェアに焦点を当てている。エージェントAIは、自律的なデータ分析やタスク実行を通じて、新たな金融インフラの創出や意思決定プロセスの効率化を支援する技術として大きな期待を集めている。
ベンチャーキャピタルの非効率をDAOで是正できるか?
DAOの特性を活用することで、従来のベンチャーキャピタル(VC)が抱える閉鎖性や非効率の課題を解決できると期待されている。アイセラレートは、コミュニティ主導の透明性と迅速性を重視し、投資先の選定や資金調達をオープンにする仕組みを提供。また、トークンホルダーによる投票で意思決定が行われることも特徴だ。
ただし実際には、情報格差が残り、大口ホルダーやインフルエンサーが影響力を持つ可能性もある。そのため、DAOのガバナンスをどこまで設計できるかに、今後の成否がかかっているといえよう。
AICCトークンの買い戻し戦略とインセンティブ設計
アイセラレートでは、「AICC」というネイティブトークンを軸に、投資活動やコミュニティ参加を促す構想である。利益の一部でトークンを買い戻す仕組みは、DeFiプロトコルの一部が採用する焼却モデルと部分的に類似している。
このモデルの成功は、プロジェクト自体がどれだけ実効的な価値を創出できるかにかかっている。もし投資先のAI事業が成果を上げられなければ、AICCの価格は低迷し、投機的なトークンとして扱われるリスクもある。一方、成功すればホルダーに大きなリターンが見込まれるため、「ハイリスク・ハイリターン」の典型といえる。
エージェントAIが普及し、ブロックチェーンを通じて自律的な契約・取引を行う社会が到来すれば、アイセラレートが果たす先駆的役割は非常に大きい。Google、Coinbase、ai16zなどのチームメンバーが参画している点も、プロジェクトの成功確率を高める要素だ。
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