1inch「Fusion+」β版、単月の取引処理57万ドルを達成=レポート

ヤマダケイスケ
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新たな技術の躍進でDeFi市場を牽引できるか?

Web3リサーチ企業「Messari(メサーリ)」は11日、DEX(分散型取引所)アグリゲーター「1inch(ワンインチ)」の2024年第三四半期レポートを公開した。同レポートでは、ワンインチがリリースしたクロスチェーンスワップ技術「Fusion+」が、9月単月で57万3,000ドルの取引処理を行ったことが明らかとなった。

Fusion+は2024年9月にベータ版が公開されたクロスチェーンスワップ技術で、11月25日にフルリリースされている。この技術には、特定条件を満たした場合にのみ資産が解放される「HTLC(Hashed Timelock Contracts)」と、価格を徐々に下げて取引を成立させる「オランダ式オークションモデル」が組み込まれている点が特徴的だ。

スワップの仕組みとしては、まずユーザーが交換する通貨ペアや価格帯をプラットフォームに登録する。その後徐々に価格を下げていき、他のユーザーによって競争的に取引実行が行われる仕組みだ。この際、HTLCによる特定の暗号条件(ハッシュ値の一致など)を満たさなければ取引はキャンセルされる。

Fusion+の登場は、より安全で効率的なスワップを求めるユーザーに対して新たな価値を提供するとともに、クロスチェーンの相互運用性を促進するものとして期待されている。

また、このレポートでは、ワンインチが「OKX Wallet」や「Ramp Network」といった他プロジェクトとの連携を強化し、さらなる成長を図っている点も強調されている。これらの取り組みの結果、DEX市場全体の取引量が減少している中でも、特にArbitrum(アービトラム)やBase(ベース)といったレイヤー2での取引量を伸ばすことに成功している。

ワンインチの取り組みは、単なる技術革新にとどまらず、DeFi(分散型金融)エコシステム全体の発展に寄与している。今後もFusion+のような技術の進展を通じ、DeFiの利用がより身近なものになる将来に期待したい。

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情報ソース:Messari / 1inch公式ブログ
アイキャッチ画像:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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